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コロナ禍真っただ中、バーの店名を変えて内装も一新
コロナ禍での営業自粛要請の筆頭に上がったバーは、この状況において苦境に立たされている代表的な形態のひとつと言えるだろう。
だが、東京・南青山でバーを営むバーテンダー・佐藤博和さんは、コロナ禍真っただ中の2020年11月、自身のバーの店名を「bar cafca.」から「城.」へと一新し、内装も大きく変えた。この知らせを聞いたときは一瞬、暗い想像がよぎったが、佐藤さんの答えはそんな邪推をあっけなく吹き飛ばす前向きなものだった。
「こんなに考える時間があって、物理的に改装時間を充てられることはこの先なかなかないでしょう。よりよい方向に進めるよう、今やれることをやってしまおう、という考えからです」
開業から10年目。せっかく浸透した店名「bar cafca.」を、「城.」へと変えたのは、次のような理由がある。
「フランツ・カフカの未完の小説に『城』という作品があります。主人公がある城の主から仕事を依頼されて城を目指すのですが、人間関係や恋愛関係といったいろんなトラブルに足を取られて、いっこうにたどり着けない。
このトラブルは、生きていれば誰しもが経験するような些末なことなんです。誰しもこの主人公にとっての城のように、人生を通して追い求めているものがあると思うんです。物なのかお金なのか、人なのかあるいは渇望のような欲求なのか。それがそれぞれにとっての城です。
城を目指す長い道のりのなかで、一息つくために立ち寄ってもらえる場所にしたい、というのが店名の理由です。このバーが城なのではなく、城を目指すために一息つく場所、ということです」
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