スルガ銀行、「かぼちゃ」の次は「アパマン」の試練 シェアハウス融資の“徳政令"を経て次なる難題
スルガ銀行が抱える不正融資問題が「第2幕」へと突入した。
これまではもっぱら2018年に発覚したシェアハウス向け融資をめぐる不祥事への対応だったが、1棟の投資用アパート・マンション向け融資(アパマンローン)においても、物件オーナーの間で対応を求める声が高まっている。スルガ銀行のアパマンローンの融資額はシェアハウスよりもはるかに多い。元本カット(債務の減免)などの対応を迫られれば、深刻な経営問題へと発展する可能性がある。
「(アパマンローンは)シェアハウス向け融資より金額も人数も多い。ほうっておくことは社会正義に反する」。5月25日、東京地方裁判所で行われた記者会見の場で河合弘之弁護士は声を張り上げた。
シェアハウス向け融資の「次」
会見が行われた日、スルガ銀によるアパマンローンを利用したオーナーの救済を目的に、弁護士約50人による「スルガ銀行不正融資被害弁護団」が結成された。弁護団は1棟物件を購入したオーナー約110人から相談を受けているという。今になってスルガ銀のアパマンローンに焦点が当てられた背景には、最初に問題化したシェアハウス向け融資に一定のメドがついたことがある。
そもそもの発端は2017年秋頃、女性用シェアハウス「かぼちゃの馬車」を販売・管理していたスマートデイズが、オーナーに対して保証賃料の減額を通知したことから騒動は明るみになった。
オーナーはスルガ銀から融資を受けてスマートデイズなどの不動産業者が企
スルガ銀もこうした業者の不正を知りつつ、オーナー1258人に対して総額約2035億円ものシェアハウス向け融資を行った。無理な賃料保証はすぐに破綻し、スマートデイズはあえなく破産(2018年5月に破産手続き開始)。保証を失ったオーナーたちはローン返済に窮した。
スマートデイズや銀行の対応に納得のいかないオーナーたちは法的解決を求め、2018年3月にシェアハウスのオーナー救済のための「スルガ銀行・スマートデイズ被害弁護団」が発足。弁護団は資力のない不動産業者ではなくスルガ銀に照準を定め、元本カットを求めて交渉に臨んだ。
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