肌の色でいじめられた娘のために父親が書いた本 学校でのいじめに父親はどう立ち向かったか
そんな美しいミオがZoomのインタビューで説明してくれた。「学校に行っても面白くなかったの」。恥ずかしそうに微笑んで見せたが、そのはにかんだ笑顔の下に傷を抱えていることが容易にうかがえた。
一般的に、二度といじめが起こらないようにする方策はほとんどない。多くの社会にいじめは組み込まれている。ほとんど通過儀礼であったり、強い特権であったりもする。いじめは許容範囲の行為として受け入れられ、あまりに文化と一体になっているために、問題視されにくい「しごき」などの行いと区別がつかない場合もある。
学校はいじめの対処法を知らない
ところが、学校で幼い子がほかの子をいじめるとき――特に肌の色や見た目の違いがきっかけがになった場合は――偏見、人種差別、性差別などのおぞましい行動につながりやすい。だからこそ、けっして見逃したり、無視したりしてはいけないのだ。迅速に対処して効果を得る必要がある。
ブレイスウェイトさんは行動を起こすことにした。43歳の彼は元モンテッソーリ教師であり、作家でもある。ブレイスウェイトさんはまず、ミオの学校の教師たちにいじめの問題を知らせ、校内でこれにどう対応しているか、そして、彼自身に何ができるかを調べた。
「わかったのは、学校がいじめの対処法を知らないという問題です。また、見なかったふりをしたり、『子どものやることだから』と切り捨てたりしているということです。もう少しまともな対応ができるはずだと感じました」。ミオと一緒に受けてくれたインタビューでブレイスウェイトさんはこう話す。
「ただ、私が手を貸してミオの学校のいじめを解決できたとしても、これからもいじめたり、いじめられたりする子どもたちが大勢出てきます。その子たちのためにも”何か”したいと思いました」
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