日本人は「糖尿病の真実」をあまりに知らなすぎる 堀江貴文氏が最新情報を追い続ける理由
糖尿病の映画まで作ったワケ
2015年5月、国立国際医療研究センター国府台病院の上村直実院長(現・名誉院長)に取材したときのこと、「日本人の胃がんの99%はピロリ菌が原因で、ピロリ菌を除菌すれば胃がんを減らせるにもかかわらず、ピロリ菌検査・除菌を行う人がとても少ない」ことを知った。
日本人の胃がんの発症率は欧米の5倍以上だ。つまり、「防げる死」が放置されている。助かる病気で死ぬなんて馬鹿らしい。情報を広く知らせるべきだと痛感した僕は同年10月、予防医療普及委員会を仲間とともに立ち上げた。その目的は、予防医療に関する最新知見や情報を収集し、発信すること。これは2016年3月に一般社団法人 予防医療普及協会となり、現在に至っている。
そして、今回僕が取り組んだのが、今や「国民病」とまで言われている糖尿病だ。現在、日本人の6人に1人は糖尿病、または糖尿病予備群で、それぞれ約1000万人もいる(厚生労働省 平成28年「国民健康・栄養調査」)。しかも、コロナ禍の自粛生活のなか、過食・運動不足・ストレスが重なり、糖尿病の病態が悪化している人が増えているようだ。
ところが、多くの人は糖尿病のことを知っているようで、その実態を知らない。なぜなら、糖尿病は深刻な合併症(これが怖い!)が現われるまで、ほぼ自覚症状なしで進んでいくからだ(「サイレントキラー」という)。
糖尿病の怖さを多くの人に知ってもらいたい、後悔してほしくない。そんな思いから取材を始め、ようやく本としてまとめることができた。それが、『糖尿病が怖いので、最新情報を取材してみた』だ。また、同書と並行して、映画『糖尿病の不都合な真実』も製作した。こちらは5月1日より、無料で視聴できる。
まずは、西アズナブルさんのマンガを読んでほしい。取材先の下北沢病院は、日本で唯一の「足」の総合病院だ。