「スリランカ人死亡」で再び露呈した入管の非道 日本は出入国在留管理庁に権限を与えすぎだ

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ウィシュマさんが亡くなって以降、上川法相は、心に傷を負った遺族を軽視してきた。上川法相は名古屋を訪れた次の日、ウィシュマさんの妹たちを自分の事務所に迎えたが、あくまでも「個人の立場として」「善意」を示そうとしたに過ぎなかった。川上法相は自らも母親の1人として、妹たちに同情したふりをしたのだ。

上川法相に言いたい。もしあなたの娘が遠い国で亡くなったとしたら、その悲劇的な運命について、できる限り詳細を知ろうとすることこそが、母親としての義務ではないだろうか?法の執行を司るまさにその人物が、証拠を隠し、うそをつき、だますことが許されるということを、日本人や外国人は容認するべきなのだろうか?

日本はG7の中でも人権意識が低い

ウィシュマさんの悲劇の根源にたどり着くために誠意を尽くした努力がなされないかぎり、今後も彼女のような人が出てくるだろう。それでもまた、出入国在留管理庁はその責任から逃れようとするかもしれない。「真実が明らかになるまで諦めない」と、ウィシュマさんの家族は話す。今後、国に対してビデオの開示を求めて訴訟を起こす可能性もある。

ウィシュマさんの死に関して、日本は罪を免れない。日本は歴史上、他のG7諸国と比較して、人権から距離を置いてきた。「日本人拉致が原因の北朝鮮の場合を除いて、日本は人権について先頭を切る国ではなかった。彼らはわれわれに賛成するが、それだけだ」と、日本やフランス、国連で仕事をしていた経験を持つ上位のフランス人外交官は話す。

しかし、先のアメリカ大統領選挙では、再び人権が外交議題の最前線に置かれた。特に、中国に対峙してのことだ。日本の多くの国会議員が、これは日本の外交上の好機になるかもしれないと人権外交を要求している。実際、中国などに比べれば日本では外国人も日本人もより多くの自由を手にしており、これは有効な外交カードになりうる。

ただし、日本政府がウィシュマさんの死の責任をあいまいなままにしようとすれば、日本政府が人権問題を持ち出した時、中国側がこう言うことを許すことになるかもしれない。「ところで、ウィシュマさんはどうしたの?」

レジス・アルノー 『フランス・ジャポン・エコー』編集長、仏フィガロ東京特派員

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Régis Arnaud

ジャーナリスト。フランスの日刊紙ル・フィガロ、週刊経済誌『シャランジュ』の東京特派員、日仏語ビジネス誌『フランス・ジャポン・エコー』の編集長を務めるほか、阿波踊りパリのプロデュースも手掛ける。小説『Tokyo c’est fini』(1996年)の著者。近著に『誰も知らないカルロス・ゴーンの真実』(2020年)がある。

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