汚染されると心身に大害「超危険な家カビ」の正体 知らぬ間に増殖、対策はとにかく換気と乾燥
アメリカで恐れられている「ブラックモールド」
アメリカでは、カビの健康被害がしばしばニュースとして取り上げられる。英名「ブラックモールド(黒いカビの意)」というカビが、アメリカでは有名である。
このカビは住宅の壁などに生えるスタキボトリス・カルタルムのことで、住宅に生える最も危険なカビと恐れられている。
私は10年余り前に、建材に生えたカビについての同定を依頼された時に、「検出されたカビはスタキボトリスである」と報告したところ、さっそく、依頼者から問い合わせが来た。
「ネットでこのカビを検索したところ、膨大な数の英語の記事がヒットするのですが、なぜでしょうか?」
1999年12月にアメリカで「カビ:健康への警戒警報」という週刊誌の記事が話題になった。マイホームで防護服とフェイスマスクを着けている夫妻の写真と、そのいきさつが掲載された。
その家の住民は「家が苦しんでいるのを終わりにしてあげたい」と訴えた。カビ汚染した住宅で暮らすことの危険性を、アメリカの住民に象徴的に示したのである。その後も、「カビの幽霊が出没する家」として、テレビなどでしばしば取り上げられた。
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