汚染されると心身に大害「超危険な家カビ」の正体 知らぬ間に増殖、対策はとにかく換気と乾燥

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家の中にカビが発生しないように普段から対策しておくのが賢明です(写真:makasana/iStock)
少しでも水分のたまったところがあれば出現するカビ。家の中でもさまざまなところで増殖し、ときには健康被害をもたらすこともあります。今回は家のカビの生態とカビ対策について解説します。
※本稿は浜田氏の近著『カビの取扱説明書』を一部抜粋・再構成したものです。

前々回:餅もミカンも注意「カビは削れば食える」の危険
前回:健康被害ないけど気になる「スマホのカビ」生態

アメリカで恐れられている「ブラックモールド」

アメリカでは、カビの健康被害がしばしばニュースとして取り上げられる。英名「ブラックモールド(黒いカビの意)」というカビが、アメリカでは有名である。

このカビは住宅の壁などに生えるスタキボトリス・カルタルムのことで、住宅に生える最も危険なカビと恐れられている。

私は10年余り前に、建材に生えたカビについての同定を依頼された時に、「検出されたカビはスタキボトリスである」と報告したところ、さっそく、依頼者から問い合わせが来た。

「ネットでこのカビを検索したところ、膨大な数の英語の記事がヒットするのですが、なぜでしょうか?」

1999年12月にアメリカで「カビ:健康への警戒警報」という週刊誌の記事が話題になった。マイホームで防護服とフェイスマスクを着けている夫妻の写真と、そのいきさつが掲載された。

その家の住民は「家が苦しんでいるのを終わりにしてあげたい」と訴えた。カビ汚染した住宅で暮らすことの危険性を、アメリカの住民に象徴的に示したのである。その後も、「カビの幽霊が出没する家」として、テレビなどでしばしば取り上げられた。

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