自宅の「箱ティッシュ」メーカーを答えられますか スマホメーカーを答えられない人は少ないのに
どうでしょうか? すべて自信をもって回答できましたか?
おそらく、Q1は答えられた方が多かったと思います。しかしQ2はどうでしょう?
いろいろな場所でこの問題を出してみたのですが、箱ティッシュのブランド名を自信をもって答えられる人は実は1割くらいしかいません。もしブランド名を答えられてもメーカー名を答えられる人はほとんどいません。一方で、スマートフォンについては多くの人が「iPhone8です」とか「Galaxy S8です」とか、ブランド名だけでなく、型式まで詳しく答えられます。そして、メーカー名を聞いて「アップル」が出てこない人もいません。
箱ティッシュもスマートフォンも、ほとんどの人が使ったことがあり、おなじくらい毎日使うものですから、「ニーズ」という観点ではどちらも変わらないくらいあるのです。むしろ、スマートフォンを使ったことがない人がいても箱ティッシュを使ったことがない人はいないでしょうから、ニーズとしては箱ティッシュのほうが上かもしれません。それにもかかわらず、どうしてこんなに差が出るのでしょう?
代替不可能な「ちがい」があるか
それは「ちがい」がないからです。
箱ティッシュがほしいとき、スーパーやコンビニで50円安いからという理由でいつもとは別のブランドの箱ティッシュを買ってしまった経験はありませんか? あるいは、いつものブランドが売っていないとき、わざわざ別の店舗まで探しに行くでしょうか? それともそのとき店に売っているものを買って帰りますか?
iPhone11を携帯ショップに買いに行って、5000円安かったからとGalaxyを購入してくる人はあまりいません。もしiPhoneが売っていなければ、在庫のある他の店舗を探したり、予約して入荷まで待つ、なんていうこともよくあります。ティッシュを予約して待つ、というのはあまりないことですが……。
このちがいは、他のもので替えが効かないかどうか、つまり「代替不可能性」によります。箱ティッシュはどれもほとんど「おなじ」で代替が簡単にできてしまいます。それゆえにブランド名すら覚えていないのですが、iPhoneには「それじゃなきゃイヤだ」という代替不可能な「ちがい」があるため、しっかりブランドを覚えているのです。
企業で「箱ティッシュ」の話をすると、みんな最初は「そりゃ、箱ティッシュはそうだよね」と他人事のように笑います。しかし、笑い事ではありません。実際には自分たちも「箱ティッシュの過ち」を犯しているケースがすくなくないのです。
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