親の呪縛で結婚にも踏み出せず「宗教2世」の苦悩 両親が信仰熱心でも子どもがそうとは限らない
親の信仰する宗教のもと育てられた「宗教2世」。弁護士ドットコムのLINEに「どうかこの宗教2世問題をとりあげ、世間にもっと認知させてください」とメッセージが寄せられた。
送り主は、ある世界的な新興宗教の2世であるAさん(20代女性)。0歳のころから毎週教会へ連れられ、教えをうけた。
その団体では、信者同士が結婚して子どもをつくることが至上命題とされ、恋愛や自由な結婚は否定された。
女性は幼い頃から行事に参加するのを拒否し続けてきたため、成人後は強く勧誘されることはなくなった。ただ、今も結婚については「相手に一生迷惑をかける」と踏み切れない思いでいる。
恋愛は禁止「結婚相手は神様が選ぶ」
両親ともに信仰熱心だったが、とくに母は教会や行事に参加するよう強く促してきた。幼い頃から徹底して「神様はつねに見ている」と教え込まれた。
「どこかで悪いことをしても神様は全部見ているし、最後死ぬときには録画していたビデオテープを流す。どんないいことや悪いことをしたか見られて、天国か地獄に行くか決まる。神様は全部知っているんだよ」
母親からそう繰り返されると、いつもどこかで監視されているような気持ちになり苦しかった。
恋愛は「サタン(悪魔)が誘惑をしているから堕落してしまう(地獄へ行く)」と強く禁止された。「神様から選ばれた男の人と女の人が結婚して子どもを産むから、相手は神様が選ぶ」ためだ。
小学生になると「女の子らしくいなさい」と言われ、男の子と遊べば「男の子なんかと遊んで!」と怒られた。
当時から「礼拝に行くの嫌だな」と団体に対する違和感はあった。ただ、拒否することは選択肢になく「こういうものだ、仕方がない」と思うようにしていた。
「『神様のために生きたら、救われるんだよ』と大人が大まじめに言うのを『そんなわけない』と思いつつ、そう口に出すことは許されないとわかっていました」