「1時間超の昼寝は死亡リスク3割上昇」の衝撃事実 大人に昼寝は本来不要、夜寝の質向上が重要
たくさん運動した日の夜、ぐっすり眠れた経験は誰にでもあるでしょう。定期的な運動は、良質な睡眠を得るために欠かせない条件の1つ。
ただし、心拍数を上げてしまうような運動は自律神経の交感神経を活性化させ、体も興奮状態になってしまうため、睡眠を妨げてしまうことに。就寝の1~2時間前は、激しい運動はやめておきましょう。
睡眠を促すメラトニンは夜に向けて分泌が増えていきますが、明るい光を浴びると分泌が停止します。アメリカのハーバード大学の研究では、夜に100ルクスの光を浴びただけで、メラトニンが88%も減少したとの報告もあります。トイレの照度基準(室内の全体照明に必要な明るさ)が50~100ルクスですから、100ルクスはやや薄暗く感じる程度の明るさです。
光の中でもとりわけ影響が大きいのはブルーライトで、ブルーライトを含む光を浴びると脳は「昼だ」と勘違いして、メラトニンの分泌を抑制します。就寝1~2時間前は、明るい室内照明やテレビ、パソコン、スマホなどの人工光をできるだけ浴びないようにすることが、快眠への近道です。
明るい部屋で眠ると肥満になる可能性が高くなる
ちなみに、明るい部屋で眠る女性は、肥満リスクが高いことがわかっています。特に、寝室の照明やテレビをつけっぱなしで寝ていた人たちは、暗い寝室で寝ていた人たちに比べて、5年間で体重が5kg以上増える確率が17%高く、肥満リスクは33%も高いという結果に。
睡眠不足や睡眠障害は自律神経や内分泌(ホルモン)系の調節機能を乱れさせ、肥満のリスク因子の1つになります。就寝前や睡眠中に明るい光を浴びると睡眠の質が低下して、肥満になる可能性も高まってしまうのです。
安眠には寝室の環境も重要。寝室の温度は、夏は26~28度、冬は16~21度、湿度は季節を問わず50~60%程度が理想的とされています。
人間の深部体温(体の中心部の体温)は夕方の4~6時ごろが最も高く、眠る時間が近づくにつれて徐々に体温が低下して、体がお休みモードへと切り替わっていきます。寝室が暑いと皮膚からの放熱がうまくいかず、体温が下がらないので眠りにつきにくいのです。
寝室を暗くしたほうがよいのは、前項で説明したとおり。騒音も睡眠の妨げになります。睡眠中は騒音に対して敏感になりやすく、脳は眠っている間も音は聞こえている状態にあるといわれています。運転音が静かな家電を選ぶなど、寝室はできるだけ静かな環境になるように工夫しましょう。
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