ペーパー離婚した3児の母が気づいた大きな問題 家族の形は「正解」より「肯定」で解決していい
法務省が2020年に海外24カ国を調査したところ、日本のように単独親権しか認めていない国はインドとトルコの2カ国のみだったそうです。ほとんどの国で、離婚後も共同親権・単独親権の選択ができるということです(ただし条件がついている国もある)。
今回の私たちの事実婚移行にあたり、親権のあり方について多くの時間を弁護士さんとの話し合いに割いてきました。事実婚の誓約書を作るに至ったのも、日本ではまだ認められていない事実婚での共同親権ではありますが、それと似たあり方を定義しておくことが大きな目的でした。これによって、法律上はどちらか一方が親権をもっても、他方の親権をもたないほうの気持ちをないがしろにせず、現状と同じく家族の交流や養育に加われるようにしたかったからです。そうして、ようやく我が家なりの家族のかたちができることになります。
私たち自身、ペーパー離婚を考えるようになって初めて単独親権しか認められない事実を知りました。結婚と同様に離婚の形も目的も多様にある今、親権の選択肢のなさ、そしてその先にあるメリットデメリットは想像しづらいものだと思います。
今後、夫婦別姓や事実婚の議論とともに、親権のあり方についての議論や法改正が進んでいくことは、必然といえるかもしれません。
ジェンダーは学校・社会でも学問としても大事なテーマ
子どもたちはというと、娘は学校で夫婦どちらの姓を名乗るかということをたまたま話し合ったそうで、自分の意見を述べることができたと胸を張って帰ってきました。息子はこれを機会に、家族で話し合う話題や時間が増えたと前向きに状況を捉えてくれています。
そして私自身は、自分の自立を実感するとともに、これまでも関心をもっていたジェンダーを、さらに学問として学びたいという気持ちが芽生えてきました。ただ、国内で学部を探してみても、まだまだ少ないのが事実。家庭内ジェンダーとなると、まだ適したものが見つかっていません。ジェンダーを学問として深く学んで新たな問題提起につなげたり、学校や地域・社会で話し合って実社会にある多様化を身をもって学んだり、そんな機会が増えるといいなと思っています。
愛知県出身。小学館『Domani』を始め、数々のファッション誌で人気モデルとして抜群のセンスを発揮しながら、多方面で活躍中。キャンプやスキー、シュノーケリングなど、季節に合わせたイベントを企画し、3人の子供とアクティブに楽しむ一面も。今年は登山に挑戦する予定。自身の育児の経験や周囲の女性との交流の中で、どうしても女性の負担が大きくなってしまう状況について考えを深めつつ、家庭におけるジェンダー意識の改革のため、身を持って夫婦のあり方を模索中。
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