東武200型「りょうもう」伊勢崎線を駆けた30年 スペーシアより地味でも足回りは"デラックス"

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200型の登場まで、りょうもうには赤い車体に白いラインが入った「1800系」が使われていた。

急行「りょうもう」で使用していた1800系(写真:東武鉄道)

従来りょうもうは急行列車だったが、200型・250型への置き換えが完了した1999年に特急へ昇格。200型になって白の車体に赤のラインへと、1800系とカラーが入れ替わった格好になった。引退した1800系の一部は「300型」と「350型」に改造された。300型は2017年に引退。350型も浅草―東武宇都宮間の特急「しもつけ」が2020年に廃止され、土休日だけ浅草―東武日光間などを走る特急「きりふり」での運用を残すのみだ。

200型は6両固定編成。1990年から1998年にかけて201編成から209編成までの9本が製造された。見た目はほぼ同じだが、新造して増備された「250型」も1編成ある。いずれも4号車は車両の端から端までが客室となっていて、側面に扉が1つもない珍しい車両だ。田園都市線から乗り入れてくる東急の車両にはかつて6ドア車もあったため、東武スカイツリーラインには一時期、ドアの数が0~6の多様な車両が走っていたことになる。

制御システムは、構造がシンプルな「直流直巻電動機」を使い、制御用の別電源を設けることで省エネ効果が高い電力回生ブレーキを実現できる「界磁添加励磁制御」を採用した。JR東日本は日光線や鶴見線、相模線といった路線を走る通勤形電車の205系など複数で使用しているが、東武では200型だけだ。

一見同じでもさまざまな違い

200型の各編成同士も、見比べてみると違いがある。201~206編成は前期型、207~209編成は後期型と分けられる。前期型と後期型では、前照灯がシールドビームとHID、側面の行き先表示器が幕式とLED、パンタフラフが菱形とシングルアーム式、などと異なっている。もともとDRCの座席を流用していた203~206編成の座席はその後、背面にテーブルが付いた大型のシートに更新されており、ほかの編成とは車内の印象が少し違う。

一方、新造車両の250型は見た目こそ200型とほぼ同様だが、VVVFインバーター制御方式で、機器類は通勤用電車の30000系に近いという。編成の構成も、すべてが電動車で「6M」の200型に対し、電動車と付随車が3両ずつの「3M3T」。200型とは走行音も異なる。

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