JR東の新顔E131系、地域密着「標準車」の将来性 先輩車両の知見「いいとこ取り」今後の展開注目

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
JR東日本千葉支社が公開した新型車両「E131系」。外房線・内房線・鹿島線を走る(記者撮影)
この記事の画像を見る(33枚)

JR東日本千葉支社は2月18日、新型車両「E131系」を報道陣に公開した。車掌が乗務しないワンマン運転への対応車で、3月13日のダイヤ改正から千葉県内の外房線や内房線、茨城県鹿嶋市に延びる鹿島線で運行を開始。鉄道各社で省人化による運行コスト削減の流れが進む中、同社が近年導入してきた新型車両のノウハウを2両編成に詰め込んだ。「地域密着路線の標準車」とも言え、他の直流電化路線への展開に注目度が高まる。

内房線・外房線・鹿島線に登場

今回、E131系2両編成を12本、計24両導入する。投入先は内房線の木更津―安房鴨川間、外房線の上総一ノ宮―安房鴨川間、鹿島線の佐原―鹿島神宮間。現在運行している209系の一部を置き換える。内房線・外房線は安房鴨川駅を挟んで直通、日中の時間帯を中心にE131系によるワンマン運転を実施する。基本的に2両編成で、ワンマン運転中は到着時にドアは自動で開かず、乗客がドア横のボタンを押して開ける「半自動ドア機能」を用いる。

E131系の外観は前面の「房総の海の波しぶきをイメージした水玉模様」が目を引く。車内は、線路と平行で混雑時に対応しやすいロングシートと、進行方向に直角で車窓を眺めやすく、長時間の乗車でも疲れにくいクロスシートを組み合わせた「セミクロスシート」の座席配置だ。クロスシートは観光利用も想定したものだが、1両に2組8席しかない。進行方向を向いて、かつ房総の海の眺めを満喫できる窓側、となると1両に1席だけという“プレミアム席”の感がある。

編成中央の車端部は、ユニバーサルデザインを意識した車いす・ベビーカーの利用者向けのフリースペースと優先席、または車いす対応の大型洋式トイレが配置されている。各車両に車内防犯カメラを設置、非常通話装置は1両当たり4カ所と、セキュリティー面も向上させた。

次ページ新形式として開発した狙い
関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事