JR東の新顔E131系、地域密着「標準車」の将来性 先輩車両の知見「いいとこ取り」今後の展開注目

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E131系は、車両形式としては新潟地区で2014年に営業運転を開始した「E129系」の“1個下の後輩”にあたる。E129系は2両または4両編成で外観は今回のE131系にそっくりだ。E129系は2020年夏にデビューしたしなの鉄道の「SR1系」のベースにもなった。SR1系のライナー用車両はロングシート・クロスシートの両方に転換できる座席や電源コンセントなど、さらに利便性を増している。

他路線への展開を視野に開発

今回、なぜ新形式として開発した車両を導入することになったのか。JR東日本運輸車両部車両技術センターの菊地隆寛所長は「比較的短い編成の直流電車を使う線区が多数あるので、拡張性、応用が利きやすいさまざまなシステムを盛り込むという目的で新形式にした」と今後の他線区への展開を念頭に置いていることを明かした。

E129系は3ドアなのに対して、E131系は4ドアと側面の扉の数に違いがある。ホームドアの整備が進む首都圏は4ドアの車両が中心。「ドアの位置が大きく異なると導入のハードルが高くなるので、親和性が高い4ドアの新形式にした」(菊地所長)という。

営業列車に取り付けた装置で、線路などをモニタリングするCBM(状態を継続的に把握して保全につなげる手法)を推進する目的もある。E131系は2本の編成に線路設備の状態監視機能を搭載している。

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