地下アイドル29人を見てわかった「辞めない訳」 ここでしか生きていけないという切実さがある

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普通の人になりたくない。あるいはどこかはみ出してしまって普通の生活は送れないから、せめて舞台の上ではありのままの自分でいたい。ものすごく売れなくても、賞をもらったりできなくてもいいから、私の歌や踊りや考えを知ってほしい。

地下アイドルの世界は華々しいばかりではありませんが、そうした不器用な想いもファンを惹きつける魅力として受け止めてもらえる世界なのです。

彼女たちがアイドルでいられる理由

「人間的な魅力が技術を上回っていること」が、アイドルの定義のひとつだと言われています。

そして実際、彼女たちにはそのアイドル性に惹きつけられた熱狂的なファンが存在します。

彼女たちのステージに上がる覚悟と度胸、そしてファンの人たちの応援が、肩書を問わず彼女たちをアイドルたらしめているのだと改めて思いました。

地下アイドルとファンの関係は深いです。特にファンの高齢化を気にかける様子は印象深く、「無人島にオタクの集団墓地を建てたい」「グラドルデイサービスを始めたい」と展望を語る人たちもいました。

『アイドル病 それでもヤメない29の理由』(大洋図書)。本書は電子書籍のみです。書影をクリックするとアマゾンのKindle版ページにジャンプします。楽天kobo版はこちら

すでにスナックやカフェ&バーを立ち上げて経営している人たちもいて、ファンの生活にも添い遂げようとする気持ちが伝わってきます。実のところ「人前に立って生きるための実践」をしている人たちです。

アイドルを辞めない彼女たちの姿は、ときに病的にも見えるかもしれませんが、健やかなるときも病めるときも、自分の表現を諦めない強さに満ちています。

主にライブハウスのような場所を活動拠点とする彼女たちの発言は、その膨大な活動量に対してごく一部しか記録されていません。

インディーズアイドルの世界は、自分が続けようと思えば、どこまでも表現を続けられる世界です。

アイドルに限らず、大人は誰でも自分で未来を選べます。自分にはできないと思っていたこと、過去には選んでこなかった経験したことのないことをこれから選んでもいいのです。

姫乃 たま 地下アイドル、ライター

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ひめの たま / Tama Himeno

1993年2月12日、東京都生まれ。16歳よりフリーランスで始めた地下アイドル活動を経由して、ライブイベントへの出演を中心に、文筆業を営んでいる。音楽ユニット・僕とジョルジュでは、作詞と歌唱を手掛けており、主な音楽作品に『First Order』『僕とジョルジュ』等々、著書に『職業としての地下アイドル』(朝日新書)、『潜行~地下アイドルの人に言えない生活』(サイゾー)がある。

ウェブサイト ■ http://himenotama.com
Twitter ● https://twitter.com/Himeeeno

 

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