近藤真彦と伊藤健太郎の言葉が全く響かない訳 真剣に話しているのに共感も同情も得られない

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今回のコラムで、立場も騒動の内容も異なる2人を並列して書いたのは、「同情を誘うような言葉や姿勢が共通していた」から。

近藤さんは前述したように、「思えば金八先生から始まり、新人賞、レコード大賞、紅白歌合戦、映画と数々の貴重なお仕事をさせていただき感謝しかございません。これからもジャニーズの名を汚さぬよう仕事を続けさせていただきます。ありがとうジャニーズ ありがとう素敵な後輩達 ありがとうジャニーさん」と思い出と感謝をつづっていました。「僕の新しい旅立ちを理解していただき」というフレーズも含め、不倫騒動を美談に置き換えて同情を誘うようなニュアンスを感じてしまいます。

一方、伊藤さんは事故当時の釈明に加えて、「気づいたら手錠をつけられてという感じでした。冷たかったですね。ひんやりとしていました。あとは重かったですね。『夢なら早く覚めてくれ』ってずっと思っていました」「(警察署で一夜を過ごした部屋は)基本的に何もないトイレと手洗い場があって、コンクリートの部屋でした」「『このあとどうなっていくのかな』とか、『牢屋の中で自分のこと保っていられるかな』とか、いつも自分の周りにいてくれる人たちのこととかいろいろ考えていました。あんまり寝ることはできなかったですね」「(多くの記者が待つ)湾岸署の自動ドアを出るのが怖かったです」などと当時の心境を赤裸々に語りました。

つらい状況を正直に語ったことは間違いないでしょうが、問題は「あまりにも語りすぎてしまった」こと。つらい状況を自らここまで語ってしまうと、「同情を誘って復帰につなげたいのではないか」と思わせてしまいます。また、語りすぎたことで「自業自得じゃないか」と怒りの声を上げる人もいました。

2人に適切なアドバイスができる人はいなかったのか

近藤さんの不倫騒動も、伊藤さんの自動車事故も、当初から「自分だけは大丈夫ではないか」「逃げ切れるのではないか」という甘さを感じさせるところがありました。そんな気持ちが初動対応の甘さにつながり、約半年が過ぎた今なお、その甘さが残っているように見えてならないのです。

2人のコメントから、「本人たちは『もう十分休んだし、そろそろ復帰してもいいのではないか』と思っているのでは?」と感じた人は多いのではないでしょうか。最も深刻な問題は、そんな疑念を抱かせてしまう2人に適切なアドバイスができる人がいなかったことであり、このままでは今後の活動に不安が残ったままなのです。

木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

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きむら たかし / Takashi Kimura

テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆を重ねるほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーとしても活動。さらに、独自のコミュニケーション理論をベースにした人間関係コンサルタントとして、1万人超の対人相談に乗っている。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

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