「生理痛がつらい人」が食べていいもの、悪いもの 食事でとる「油」のバランスを意識してみる

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理想の状態は、このふたつの油の割合が、オメガ6系:オメガ3系=4:1になることです。

オメガ6は悪いわけではありません。体にとって大切で、体中の細胞の膜を作るのに使われます。

しかし、今の日本人はオメガ3系の油がほとんどとれていません。4:1どころか、50:1ぐらいの割合になってしまっています。生理痛になるのもわかりますね。生理痛だけではなく、普段の頭痛などもひどくなります。

私たちの調査でも、オメガ6系の油を多くとっている人は、痛みが強いということがわかってきています。揚げ物やアイスクリームなどをよく食べる人たちです。

大切なのは、ふたつの油の「バランス」です。つい多くなりがちで、痛みも誘発するオメガ6系を控えながら、体にいいオメガ3系を積極的にとることを意識しましょう。

オメガ6系の油はいたるところに使われているので、普通の生活をしていたら足りないことはほぼありえません。

ちなみに、オリーブオイルやごま油、アボカドなどはオメガ9系脂肪酸です。オメガ9系は、酸化に強く加熱料理に向いています。中等〜重度の生理痛に悩む17〜30歳の女性たちが、エクストラバージンオリーブオイルを1日大さじ1.5杯飲んだときに、生理痛が軽くなったという報告もあります。オリーブオイルは生理痛を軽くするのです。

オメガ3系の油をとる

オメガ3系の油はできれば毎日とりたいところです。人の体では作り出せないからです。

とくに、血液をサラサラにしたりうつを予防したりするEPAは、食事からとった量に血中濃度が比例します。多く食べる人ほど血中濃度が高く、さほど食べない人では低くなります。

さきほど、エゴマ油、亜麻仁油、魚といいましたが、どうすれば手軽にとれるでしょうか。エゴマ油や亜麻仁油は、そのままスムージーやサラダに混ぜて食べることで手軽にとれます。ただし、これらはα-リノレン酸といって、体内でDHAやEPAに変換される率はわずかです。また、変換できない人もいます。

よって、できれば魚でとることが望ましいです。しかし毎日は難しいので、控えとしてエゴマ油や亜麻仁油を使うことを考えましょう。

魚を普段とれている人たちの行動を集めたところ、

・調理のいらない刺身を買って食べる
・鮭フレークやシラスを買っておいて、ご飯にかける
・エゴマ油、亜麻仁油を常備して、家で食べるときはサラダなどに使う
・ランチは魚が食べられるお店に行く
・居酒屋で魚のつまみを頼んでみる
・魚の缶詰をおかずに一品足す

などありました。これらを参考に、ぜひ自分でもできそうなものを取り入れてみてください。

次ページ日々の食事に一品、魚を加えてみる
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