「生理痛の原因」が若者と大人で実は異なる理由 生理やPMSの仕組みを知ればもっとラクになる
しかし人それぞれで、出産、育児、社会復帰などの大きな変化が起こることによるストレスで生理痛やPMSが増す人もいます。
痛みの原因は「プロスタグランジン」
さきほど、生理痛が起こるのは、子宮頸管に血を押し出すために子宮が収縮するからだといいました。子宮をギューッと絞って押し出すのですが、その指令を出す役割を担うのが「プロスタグランジン」という物質です。
プロスタグランジンは痛みの物質でもあるため、多く分泌されてしまうとそれだけ痛みが増します。生理痛の原因は、このプロスタグランジンです。
どうして多く分泌されてしまうのでしょうか? その理由はいくつかあります。
出産をしたことがない場合には、子宮頸管が硬く、膣が狭いために血液が通りにくいという理由があります。ほかにも子宮の位置が、前屈あるいは後屈になっていて、同じく血液が通りにくいという、形の問題の場合もあります。
あるいは、プロスタグランジンの生成が多い遺伝子を持つ人もいるという報告もあります。つまり、生まれつきです。
プロスタグランジンのせいではなくても、酵素がうまく働かず血液がドロドロになることで子宮頸管を通りにくくなることもあります。ここが通りにくいと、痛みを起こします。血流は栄養不足や便秘、冷えなどにより悪化するため、食事や生活習慣、体型が大きく影響しています。
つまり、痛みを緩和するためには、
・「血液をサラサラ」にして、血のめぐりをよくすること
が大切です。
私たちの調査では、生理痛のある人とない人の違いに入浴回数がありました。とくに、痛みどめを飲むほど症状が重い人で毎日入浴している人は29%でしたが、生理痛がほぼない人では42%でした。
さらに、プロスタグランジンはいくつかの栄養をきちんととることによって抑えることができます。
また、血液ドロドロを招く原因に「便秘」もあります。これも、食生活が影響しています。生理痛をなくすには、なによりも「食生活の改善」です。これにより生理痛が緩和する人も少なくありません。
もうひとつ、年を重ねると生理痛が軽くなることもわかりました。というのも、私たちの調査では「生理痛」が「重い」と回答した割合が、10代では41.8%、20代では37.7%、30代が30.0%、40代が24.4%、50代が27.0%でした。年を重ねることにより、生理痛の悩みが軽くなっていくようです。
「出血量」も年齢とともに変化します。つまり、生理の悩みは若いときほど重たく、子宮の成熟に伴って、年とともに軽くなる傾向にあることがわかります(「ソフィ」アプリ調べ/ユニ・チャーム)。
(※2021年4月時点のデータ)
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