「生理痛の原因」が若者と大人で実は異なる理由 生理やPMSの仕組みを知ればもっとラクになる

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生理痛もPMSも症状と重さには個人差があります。ちなみに、誰もがうらやむ、「どちらも感じない」という女性はたったの2.5%です。

生理痛はなぜ起こるのか

どうして生理痛が起こるのでしょうか。まず、10代と20代〜では生理痛の原因が違います。

「生理の血」とは、子宮内膜のことです。子宮内膜とは、「体の中の卵子を育てるためのベッド」と聞いたことがあるかもしれません。女性の体は、毎月妊娠のために排卵します。同時に、受精したときのための場所を用意します。それが、子宮内膜です。

受精しなかったときは、お役御免となったこの子宮内膜は排出されます。それがいわゆる「生理の血」です。

子宮内膜は、はがれたばかりのときはドロっとした血液の塊です。これがそのまま子宮の下についている子宮頸管に押し出されます。これは、子宮と膣をつなぐ細い管です。この子宮頸管は細く、押し出すために子宮を強く収縮しなければなりません。このときの痛みが、生理痛です。

子宮頸管に血を押し出すために、体はこの血の塊をサラサラにします。そのために必要なのが酵素です。酵素というとお肉を柔らかくしたり、汚れを落とすクレンザーにも使われますが、体の中ではタンパク質の「分解役」です。これが子宮内膜の塊も溶かします。こうして、子宮内膜はスムーズに子宮頸管を通って体外に排出されます。

10代では、子宮の出口が狭いことにより、この痛みが起きます。この年代では子宮がしっかり育っていないので、子宮の出口が狭いのです。それで、生理の血がスムーズに外に押し出されず、血を押し出そうとして子宮の出口に圧がかかり、痛みが生じます。

これが20〜30代になると、子宮は育つのですが、ストレスを感じたり、偏った食事をしたり、不規則な生活になったりということが原因で子宮の収縮が強くなって、生理痛になります。

酵素がうまく働かなかったり、ほかにはホルモンバランスが乱れたり、冷えや栄養不足などで収縮が強くなることが原因なのですが、そうなってしまうのは、食生活を中心とした生活習慣が悪いからです。痛みを感じるメカニズムは同じです。つまり、大人は生活習慣が原因で生理痛が起こります。

ちなみに「赤ちゃんを産んだら生理痛がなくなった」という人がいます。赤ちゃんを産むと、子宮の出口が広がります。すると、子宮の出口に生理の血(経血)が引っかからなくなるから、痛みがなくなるのだといわれています。

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