人気の「スーパーハイトワゴン」購入者の実態 「どんな人」が「どんな理由」で買っているか

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次に、購入者が購入前に乗っていたクルマ(前有車)から、どのような車種から軽スーパーハイトワゴンの購入に至ったのかを確認する。

N-BOX、タント、ルークスの1位は、現有車と一致していて、その占有率は約20~24%。「N-BOXからN-BOXへ」「タントからタントへ」といった乗り換えが、4~5台に1台生まれていることがわかった。

同一車種への乗り換えが20%以上というのは、他のボディタイプやメーカーの車種の調査と比較してもかなり高い。言い換えれば、N-BOXやタントは、その商品性の高さから4~5人に販売すれば、数年後にそのうちの1人がそのまま再度購入してくれるということである。

タントは現行世代で4代目となりリピート率も高い(写真:ダイハツ工業)

メーカーやディーラーが、自社や自社商品へのロイヤルティを高め、顧客との関係性を構築・継続・強化していくこと(CRM:Customer Relationship Management)を重要視するようになって久しい。

耐久消費財である自動車は、車検やメンテナンスなどで接点があるとはいえ、購入スパンが長く、CRM活動を行ううえでいくつもの課題がある。そういった中、軽スーパーハイトワゴンは、その商品性の高さをフックに、ほかの車種よりも顧客ロイヤルティを高められているといえる。

毎月の販売台数を支えるだけでなく、将来の潜在顧客の獲得においても非常に重要な車種なのだ。

「購入時の重視点」はどの車種も変わらない

次は、購入時の重視点を見てみよう。「スタイルや外観」「ボディカラー」「内装デザイン」「室内全体の広さ」などの項目において、各車に大きな差はなかった。機能性を重視しているボディタイプということもあり、「スタイルや外観」のスコアはほかのボディタイプの車種より全般的に低い。

車種間の特徴でいえば、タントの「車内での移動のしやすさ」のスコアが高い。ダイハツは「世界初、運転席ロングスライドシート(540mm/シートバックレバー付)※2019年7月現在。ダイハツ調べ」と訴求しているので、ユーザーに価値が届いているようだ。

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