日産が初めて自社開発した軽「デイズ」の実力 開発責任者の齊藤雄之氏に独占インタビュー

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今回はハイグレードモデルのハイウェイスターも併せて発表された(筆者撮影)
近年、日産の国内販売の中核を成すまでに成長した軽「デイズ」がフルモデルチェンジした。今回登場した第2世代も三菱自動車工業(以下、三菱)との共同企画として、三菱「eKワゴン」の兄弟車となる。
両車の商品企画は、日産と三菱が軽の商品企画に特化するために2011年6月に設立した合弁企業NMKVが担当。初代「デイズ」ではNMKVが企画し、開発と生産の委託先が三菱だったが、第2世代「デイズ」では開発を日産が行い、生産を三菱が行う体制に変更した。NMKV時代の前、日産の軽はスズキが開発・生産をしていたことを考えると、第2世代「デイズ」は日産として初めて開発を手がけた軽だといえる。
そのような背景の中で、第2世代「デイズ」の開発は具体的にどう進んできたのか。3月28日の記者発表後、日産本社内でNissan第一製品開発本部の齊藤雄之CVE(チーフビークルエンジニア)に詳しく聞いた。

わからないところから始まった

――記者発表を無事に終えて、いまのお気持ちはいかがでしょうか。

 ようやくここまで来た、という感じです。日産としては(事実上)初めて開発する軽ですから、(多くのことが日産として)わからないところから始まりました。私がデイズを担当したのが2015年4月からです。まずは、軽のユーザーを知らなければいけない、そこを知るところがスタートポイントでした。

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――第2世代デイズの商品としての狙いをひと言で表現していただけますか。

何でもできて、さまざまな先進技術がついている軽、です。

――もう少し具体的に教えてください。

(他社の軽に対して)何かが足らないではなく、すべての領域で(性能を)広げた。それをベースに、インテリジェントモビリティとして、日産の先進技術を加えたということです。

――技術開発はどのような順序で行ったのですか。

最初は、車体の骨格です。車内を広くすること、ここがスタートポイントです。そうなると、ホイールベースをどうするかの検討となり、(結果的に)エンジンルームを小さくしたい。(衝突安全性を考慮した)エンジンルーム内のスペースとのバランスをとったレイアウトが必要となります。

次に、(エンジンとトランスミッションである)パワートレインの性能と大きさです。(車室を広げるため)前輪への軸を、できるだけ(車体の)前にもっていきたい。

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