この分析結果を用いて、「感染者数」「緊急事態宣言」「まん延防止等重点措置」「Go To トラベル」といった変数と「居住地」における人流の増減をグラフ化してみた。それぞれが重なり合って影響するわけだが、2回目の緊急事態宣言の影響や、まん延防止等重点措置と人流との相関はかなり弱くなっていることがわかる。また、「居住地」の人流増減と「感染者数」の関係だけを抜き出すと、その影響は第1波から第3波にかけて徐々に小さくなっている。
東京と大阪では特に「強調の失敗」が顕著
特に、人口が多くかつ3回目の緊急事態宣言の対象となった東京都と大阪府について、同様の分析を行うと、やはり東京都や大阪府でも「まん延防止等重点措置」は「居住地」の「人流」の増減にあまり影響しなかったことがわかる。この点において、3回目の緊急事態宣言で大型商業施設の休業要請などのより強い措置に移行したことは、理にかなっている面もある。
しかし最も不安視されるのは、全国レベルと比較して東京都や大阪府では「人流」が「感染者数」増加の影響を受けにくくなっている点だ。他方で、こうした状況になると、強い措置を課し続けてもさらなる反発が出ることも想定される。「協調の失敗」により、感染者数は減らず、経済損失ばかりが拡大するリスクがある。
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