内閣府が3月31日に公表した『日本経済2020-2021』(ミニ白書)では、政府の雇用調整助成金の特例措置などの支援策が2020年4~6月期の完全失業率(以下、失業率)の上昇を3%ポイント程度抑制したと推計されている。
リーマンショック時と比べても異例の対応
リーマンショック時にはどうだったかといえば、2009年後半に当時の雇用調整助成金の制度拡充が失業率を0.5~1.0%ポイント(中央値では0.75%ポイント)抑制していたとの分析だ。
つまり、リーマンショック時に比べて、コロナ後に政府は「異例の対応」を行い、最低でも2%強程度はより大きな効果を上げたといえる。
今回のコラムでは、ミニ白書のデータを用いてコロナ禍が労働市場をどの程度悪化させたのか、評価した。結論を先に述べれば、コロナ禍の労働市場への影響は、GDP(国内総生産)のマイナス成長を考慮しても、非常に大きかったので、異例の対応を行った意義はあったものの、今後の政策の出口戦略によってその評価は変わりうる。
トピックボードAD
有料会員限定記事
政治・経済の人気記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら