別姓婚「日本も有効」で露呈した戸籍制度の矛盾 25年も議論棚上げ、多様な夫婦への対応は急務
今回の訴訟は、選択的夫婦別姓制度に関する議論を大きく前進させた。
竹下弁護士は「2015年の最高裁では、婚姻の成立要件に関する細かい議論に入っていなかった。今回の判決を受けて、『第二次夫婦別姓訴訟』の最高裁大法廷ではより緻密な議論がされることになるだろう」と話す。
戸籍制度は時代に追いつけるか
さらに、判決は戸籍制度の不備を明らかにした。本来、戸籍制度の目的は夫婦関係や親子関係を記載し身分関係を把握することだが、想田・柏木夫妻のように別姓のまま法律上成立している婚姻関係を、同姓を前提とする現行の戸籍制度でどのように把握するか検討してこなかったからだ。
竹下弁護士は「海外で別姓のまま結婚することができる法律になっているのであれば、その夫婦関係を別姓のままでも戸籍に記載できるようにすることが戸籍制度の本来の目的にかなう」と指摘する。「別姓のままでも戸籍に記載できるように、民法や戸籍法の改正を検討していかざるをえないだろう」(同)と立法府の動きも期待する。
身分関係を証明する戸籍制度が現状の多様な夫婦のあり方に対応できずに、個人や社会に不利益をもたらしていることは重要な社会課題だ。選択的夫婦別姓制度の実現に向けた法整備について、早急に議論することが求められる。
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