5万人ライブ開催も!「コロナ優等生国」の現在 ニュージーランドはコロナ前とどう変わった?

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昨年、警戒レベル4のロックダウン時に訪れたスーパーは特異な雰囲気だった。コロナ対策に真剣に取り組んだ結果だった。ソーシャルディスタンスの必要性から、店内に入れる客数を限ったため、店の外に並ぶ客も出た。外に並ぶ際も前の人との間を2メートル空ける。中から客が出てくると、その人と入れ替わりに外に並んでいた人が入店する。それを従業員が監督していた。

いざ買い物をする際も、ほかの客との間を常に2メートル空けるよう気をつけなくてはならない。セルフの量り売りのコーナーは、商品を手で触り、感染を拡大するおそれがあるため、すべて包装済みのものに替えられた。生鮮食料品売り場には「一度手に取ったものはお買い上げください」という張り紙が張られていた。お惣菜売り場には、キャビネットに1メートル以内に近づいてはいけないという注意書きがあった。

レジに並ぶ際も前の人との間を2メートル空けておかなくてはならない。客が店内にいる時間を最低限に抑えるために、すべてのレジカウンターが開けられ、客は順番を待たずに済むようになっていた。支払いはカードのみで、現金は受け付けていない。

大病院では手術の遅れも

医療現場はどうか。各家庭にかかりつけ医がおり、症状はどうであれ、まずはそこで診察を受けるのが、ニュージーランド流の医療だ。今は、担当医に予約を取って病院を訪れ、診察を受ける、通常のパターンに戻っている。ここでも消毒用ジェルが受け付け近くに置かれている。受け付けを済ませると、担当医が呼ぶまで待合室で順番を待つ。

ロックダウン時の病院には、「簡単には来てくれるな」という姿勢を感じていた。たいていの診察はオンラインに切り替えられた。医者に会わなくてはいけない場合は、順番が回ってくるのを待合室でなく、駐車場に止めた自分の車の中で待たなくてはならなかった。

大病院などでは、昨年のロックダウンの影響をいまだに引きずっており、手術の予定が遅れていると聞く。歯科医が行う口の中の治療では、唾液による感染が危惧され、スケジュール通りには治療が進まないのだという。

コンサートや演劇といったライブパフォーマンスも、観客に人数制限がないレベル1になった昨年9月中旬以降、徐々に公演が再開されてきた。今年に入って4月下旬には、国内人気アーティストのコンサートが、最大都市オークランドの野外競技場で行われ、観客5万人を動員した。これはコロナが蔓延して以来、最大規模のライブといわれている。

それでも警戒レベルが1から1段階上がって2になるだけでも、許される観客数が無制限から100人以下になってしまう。公演の規模によっては即キャンセルを余儀なくされたり、イベントの催行日にたまたまタイミング悪く、レベルが上がってしまうケースもあった。

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