リクルート、アジアで急成長の「秘密」 現地トップが語る、ライバルとの大激戦に勝つ戦略

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一般的に離職率の高いアジアでは、企業としては一刻も早く優秀な人材を採用しなければならない、まさに時間との勝負のような状況が起こりうる。

オフィスには各国語のあいさつが書かれたポスターが掲げられている

そのようなときに、各国で“点”で集めた地場の人材データベースを”面”で活用する。企業が求める人材に適合する人材を他の国から見つけだし、紹介することができるのだ。だから、「アジアの人材紹介ビジネスは、拠点の数が非常に重要」(同氏)であり、常に未進出の各国、各都市の求職ニーズを鑑みて進出を検討している。

そうした面の戦略に基づき同社はアジアで拠点を増やしてきたが、冒頭のBó Lè Associates社を始めとして、近年“買収”という形での拡大が目立つ。それまでは独資で現地法人を設立するケースが多かったからだ。

葛原氏によれば、方針を切り替えた理由は2つ。事業規模拡大スピードの加速と買収先企業とのシナジー効果。リクルートが持つ日系の顧客企業と買収した子会社が持つ地場や外資の顧客企業とのつながり、そしてそれぞれの人材データベースがお互いのサービスを補完し合えると考えたからだ。

こうしたメリットはもちろんあるものの、文化も異なる外国企業の買収とその後のマネジメントには、想定以上の難しさがある。葛原氏曰く、買収では変えること・変えないことのバランスが非常に重要だとのこと。「文化や制度などは、その国や企業によって異なっていて当たり前。それを全てリクルート流に変えに行く必要はない。

成果を上げていくためのKPIマネジメントや、それを徹底するためのモニタリングの仕組み等は導入するが、それ以外は基本的には変えず、任せている」そうだ。「“年度が終わったときに、前年度の売上げを超えていればたとえ目標を達成していなくても良しとする文化”などは、まっさきに変えに行きますが(笑)」

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