JリートでTOB勃発、波乱含み「買収劇」の内幕 インベスコにスターウッドが1700億円買収提案

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インベスコはアメリカの独立系資産運用会社インベスコ・グループがスポンサーを務め、東京都心部を中心にオフィスビルを18棟(持ち分含む)保有し、時価総額は1826億円(4月23日時点)。上場REITの中では中規模に位置する。

スターウッドがインベスコに着目した2020年4月時点は、1回目の緊急事態宣言が発出されるなど不動産市場の先行き懸念が頭をもたげた時期だった。スターウッドはそれでも日本市場は相対的に安定していると判断し、同5月下旬よりインベスコの投資口を買い始めた。2021年3月26日時点で、インベスコの投資口の約5.07%を保有する。

なぜ事前協議をしなかったのか

ニューノーマルを見据えてオフィスの用途や仕様の変更が求められている。コロナ禍で一時的な賃料収入の減少や修繕費の増加は避けられないが、半年ごとに安定的な配当を求められる上場REITで抜本的な投資は難しい。

こう考えたスターウッドは、2020年10月にインベスコの非公開化について検討を開始。同12月には物件の譲受ではなく、買収が既定路線となった。

では、インベスコとなぜ事前協議をしなかったのか。スターウッドは買収後も原則としてインベスコの資産運用会社に運用を担当させるが、スターウッドの運用方針にそぐわない場合は、別の運用会社に委託することも選択肢として残す。その場合、インベスコの経営陣は投資家の利益よりも自らの保身を優先し、買収に反対しかねない。スターウッドは、事前協議を行ってもインベスコと合意に至る可能性は低いと考え、対話は行わなかった。

突然のTOBに驚いたインベスコは4月15日、賛否を留保しつつ、買収理由や出口戦略などについて説明を求める質問状をスターウッドに提示した。質問は28項目にもわたるが、主な論点は2つある。

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