バンコクへ片道9900円!空の旅に大激震 エアアジアXが仕掛ける価格破壊

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東京―バンコク線は、JAL、ANAだけでなく、タイ国際航空、米デルタ航空なども就航している(バンコクのスワンナプーム空港を利用)。運賃相場は往復で6万~21万円。つまり、エアアジアXを利用すれば、従来の半額程度以下の運賃で、日本とタイを行き来できるようになるわけだ。

エアアジアXは2010年12月にグループ本拠地のクアラルンプール(マレーシア)と羽田空港を結ぶ路線を就航(深夜発着)。2011年に関空、今年3月には中部国際空港へも就航してきた。その運賃の安さを武器に利用者から高い支持を得ており、2014年上期(1~6月)の平均搭乗率は89%という驚異的な数字を誇る。

同社が使う機材はエアバスの中型機「A330」で、ビジネスクラスは12席。「プレミアム・フラットベット」と呼ばれる仕様で、フル・リクライニングが可能なシートだ。エコノミーは365席で、1機の総座席数は377となる。

年間18万人の訪日客増加も

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赤と白でカラーリングされたエアアジアXの機体(撮影:尾形文繁)

昨年はマレーシアと同様に、タイからの観光客がノービザで日本に入国できるようになり、タイの富裕層や中間層の訪日旅行客は増加の一途をたどる。タイ国内にはデモのリスクもあるものの、日本人旅行者のリピート率も高い。

ビジネス面では約7000の日本企業が進出。たとえば、タイの自動車生産はトヨタ自動車や日産自動車、ホンダ、いすゞ自動車などの日本メーカーの現地生産が大半を占め、キヤノンやニコンなどの精密大手なども生産拠点を構えている。

今春、日本では羽田空港の国際線大幅増便に伴って、従来は深夜早朝発着(22~翌7時)のみだったタイ・バンコク線に、昼間発着便(7~22時)が加わった。今後はさらにビジネス、観光などで日本とタイを往来する渡航者が拡大すると見込まれていたところだ。

ここにエアアジアXが就航することで、日本―タイの輸送能力は約23万人分増える。これで搭乗率8割が確保できれば、年間18万人近い渡航者をタイから日本に運ぶ計算となる。訪日タイ観光客が増えると、日本の観光ビジネスにも恩恵が波及していきそうだ。

武政 秀明
たけまさ ひであき / Hideaki Takemasa

1998年関西大学総合情報学部卒。国産大手自動車系ディーラーのセールスマン、新聞記者を経て、2005年東洋経済新報社に入社。2010年4月から東洋経済オンライン編集部。東洋経済オンライン副編集長を経て、2018年12月から東洋経済オンライン編集長。2020年5月、過去最高となる月間3億0457万PVを記録。2020年10月から2023年3月まで東洋経済オンライン編集部長。趣味はランニング。フルマラソンのベストタイムは2時間49分11秒(2012年勝田全国マラソン)。

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