ローランドMBOの顛末、混乱の根因は? 食い違う証言、準備不足の否めないTOB

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創業者の梯氏は株主総会でも徹底してMBOに抵抗した

第三者委員会の3人のメンバーの一人、公認会計士の佐野哲哉氏は、以下のコメントを寄せてきた(全文掲載が条件で、要約や部分掲載は不可との但し書きあり)。

ただしこの回答は、金融資産を加味したかどうかという最大の関心事に、明確に答えていない。

「株式価値の算定手法については、複数の手法があり、さらに計算の前提条件によって結果は異なります。いただいた計算方法について、この計算手法を採択した理由や、前提条件の妥当性、さらにこの計算結果が妥当であることを前提としたご質問について、私はコメントすべき立場にはありません。ローランド株式会社が開示している意見表明報告書に記載のとおり、本公開買付価格の決定に当たって、同社取締役会は独立した第三者算定機関から株式価値算定書を取得しております。当該算定書では、市場株価法・類似会社比準法・DCF法が採用されており、それぞれ一定の前提に基づき計算されております。第三者委員会では算定機関へのインタビューや質問書による回答の入手などの方法により、株式価値の算定について専門的に検証し、算定書に不合理な点は見当たらないことを確認しております。また、本公開買付価格は当該算定書のレンジに含まれております。」

詳細は「週刊東洋経済」719日号(14日発売)掲載の特集、「検証 ローランドMBOの泥沼」をご覧ください。
山田 雄一郎 東洋経済 記者

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やまだ ゆういちろう / Yuichiro Yamada

1994年慶応大学大学院商学研究科(計量経済学分野)修了、同年入社。1996年から記者。自動車部品・トラック、証券、消費者金融・リース、オフィス家具・建材、地銀、電子制御・電線、パチンコ・パチスロ、重電・総合電機、陸運・海運、石油元売り、化学繊維、通信、SI、造船・重工を担当。『月刊金融ビジネス』『会社四季報』『週刊東洋経済』の各編集部を経験。業界担当とは別にインサイダー事件、日本将棋連盟の不祥事、引越社の不当労働行為、医学部受験不正、検察庁、ゴーンショックを取材・執筆。『週刊東洋経済』編集部では「郵政民営化」「徹底解明ライブドア」「徹底解剖村上ファンド」「シェールガス革命」「サプリメント」「鬱」「認知症」「MBO」「ローランド」「減損の謎、IFRSの不可思議」「日本郵政株上場」「東芝危機」「村上、再び。」「村上強制調査」「ニケシュ電撃辞任」「保険に騙されるな」「保険の罠」の特集を企画・執筆。『トリックスター 村上ファンド4444億円の闇』は同期である山田雄大記者との共著。

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