シエラ/クロスビー/イグニス 明暗わかれた訳 ユーザーの琴線に「触れる・触れない」の境目

拡大
縮小
左から「イグニス」「ジムニーシエラ」「クロスビー」(写真:スズキ)
この記事の画像を見る(30枚)

近年、注目度の高いジャンルといえば、クロスオーバーを含めた「SUV」だ。自動車メーカー各社はSUVモデルの拡充を図っているが、ここで軽自動車とコンパクトカーのスズキを見てみると、意外にもSUVラインナップを充実させていることがわかる。

しかし、どのモデルも売れているかというと、そうは問屋が卸さない。人気モデルがある一方で、厳しい販売状況を強いられているモデルも存在している。なぜ、同じスズキのSUVなのに、販売の明暗がわかれてしまったのだろうか。

「SUVじゃない」のは3モデルだけ

スズキといえば軽自動車とコンパクトカーのメーカーというイメージが強いが、そのラインナップを見ると意外なほどSUVが充実していることに気づく。

東洋経済オンライン「自動車最前線」は、自動車にまつわるホットなニュースをタイムリーに配信! 記事一覧はこちら

現在、スズキがラインナップする普通車(登録車)は、「イグニス」「エスクード」「クロスビー」「ジムニーシエラ」「スイフト/スイフトスポーツ」「ソリオ」「ランディ」があるが、このうちSUVではない車種は、スイフト/スイフトスポーツ、ソリオ、ランディの3モデルだけ。

また、ランディは日産からOEMされたミニバンであることを考えると、スズキが作る乗用車はスイフトとソリオ以外、すべてSUVなのだ。ちなみに、2020年にひっそりと廃盤となった「SX4 S-CROSS」も、エスクードと同じプラットフォームを使うSUVだ。

しかし、これらのSUVのすべてが売れているわけではない。自販連が発表した2020年度(2020年4月~2021年3月)の新車販売ランキングでは、スズキの販売トップはランキング17位のソリオ(4万3664台)で、次いでは27位のスイフト(2万5584台)。

スズキの稼ぎ頭となっている「スイフト」(写真:スズキ)

SUVではない2モデルが、そろって上位を守っている。それに続くのがSUVとなるが、発表される50位圏内に入っているのはジムニーシエラ(35位:1万8222台)とクロスビー(42位:1万4510台)のみ。イグニスとエスクードはランキング圏外となる。もちろん、SX4 S-CROSSも圏外であった。

では、売れているモデルと、そうでないモデルは何が違うのだろうか。まずは、売れているジムニーシエラとクロスビーがどんなクルマなのかを見てみよう。

次ページ「走り」と「遊び」の本格派
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT