12万円で市議会議員になったある男の選挙戦略

国政に比べて、地方選挙のハードルは低い

選挙は大金をかけなくても当選できる ※写真はイメージです(写真:imacoconut/iStock)
選挙には「お金がかかる」というイメージがつきものだ。しかし、中にはわずか12万円で市議会議員になれた人間もいる。お金をかけずに市議選に当選した写真家&秦野市議会議員の伊藤大輔氏のケースを紹介。『おいしい地方議員 ローカルから日本を変える!』より一部抜粋・再構成してお届けする。

本稿では選挙に関する具体的なルールや情報も記載し、今回の経験で学んだことを皆さんと共有したい。

選挙のためにやったこと

【2019年秦野市議会議員選挙スケジュール】
①約半年前 選挙日程発表
②6月25日 説明会及び提出書類の配布(代理人出席OK)
③8月9日 提出書類の事前審査締め切り日
④8月18日 告示日(立候補届出の日)
⑤8月18日〜24日 選挙運動期間
⑥8月25日 選挙当日

「票が欲しいから活動をしている」とか「票が欲しいから近寄ってくる」とか、周囲に余計な噂や誤解を生むのが嫌だったので、立候補のことは自分の中で本当に決心がつくまで誰にも話さなかった。以下が僕が選挙のためにやった11のことだ。

1.書類一式の提出

中学校卒業程度の日本語の読み書きができれば誰にでもできる。提出期限に注意。

2.会計責任者の選定

候補者本人でも可能だが、公職選挙法にはお金に関する細かい規定や紛らわしいルールがたくさんある。初めての選挙は不明な点も多く、その都度選挙管理委員会に確認を要した。本当は誰か信頼のおける人にやってもらえると、本人は選挙活動に集中することができる。僕は義兄に会計責任者をやってもらった。

3.供託金(30万円)の納付(市議会議員選挙の場合)

提出書類で一番時間がかかるのが、供託書正本。受け取るには、次のふたつの方法がある。

・オンラインによる申請の場合
オンライン申請→郵便局等で供託金の支払い→法務局に支払い証明書を提出→法務局窓口にて供託書正本を受領→選挙管理委員会に供託書正本を提出。

・法務局で直接申請の場合
法務局に行き申請書を提出→法務局が供託書正本と払込書を作成→その書類を持って銀行で払込→銀行が供託書正本に領収印を押印→選挙管理委員会に供託書正本を提出。

納付した供託金の返納・没収については公職選挙法93条「都道府県又は市の議会の議員選挙」の場合として、候補者の得票数が有効投票総数を議員定数で割って10分の1をかけた数に満たない場合、供託金は没収されるとある。

【2019年秦野市議会議員選挙の場合】
有効投票総数54776票÷議員定数24×1/10=228(小数点以下切捨)

つまり得票数が228票に満たなければ供託金は没収される。今回は28名中最下位の得票数は582票だったので、立候補者全員に供託金は返納されたことになる。

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