ホンダ「新型ヴェゼル」は本当に売れるのか? 正式発表された機能や価格、進化を徹底考察

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悪路での走破性を高めた4WD性能(東洋経済オンライン編集部撮影)

新型のe:HEV車は、4WD仕様の走破性もアップデートされている。独自のリアルタイムAWD(全輪駆動)システムは、一般的なハイブリッド車のAWDがリア側にモーターを設置するのに対し、後輪をプロペラシャフトで繋ぐ構造を採用する。これにより、後輪へより大きなトルクをダイレクトに伝えることが可能となり、発進から高速走行まで、優れた走りを発揮する。

スリップしやすい路面でも適切な制御により、安定した走行を実現(東洋経済オンライン編集部撮影)

とくに新型では、先代に比べてAWDのトルク容量を10%増加させたほか、フロントサスペンションのフリクション(摩擦)を55%低減させるなどの改善が施されている。泥のぬかるみなどを難なくクリアできるし、雪道でも冬タイヤさえ装着すれば快適で安定した走りが可能だ。また、山道などの急な勾配でも優れた登坂能力を示す。しかも、一般的な4WD車の多くが悪路走行用モードへの切り替えが必要なのに対し、新型には設定すらない。ホンダ開発者の話では、実走テストにより「20%の勾配でも登坂が可能」であることが実証済みだという。

都会的なスタイルのSUVながら、ある程度の悪路走行も楽にこなす走破性は、ホンダがかなりこだわった性能のひとつだ。例えば、近年人気が高い野外キャンプなどへ行く際、雨や雪で道がぬかるんだり、キャンプ場の芝生などが滑りやすかったりすることも多い。新型はそういった状況下でも、ユーザーが快適に走行できる性能を担保することで、時代に応じた幅広いニーズに応えようとしている。

快適性と利便性を高めたホンダコネクト

快適性の面でいえば、より充実したホンダコネクトの搭載も注目点だ。フィットや小型EVの「ホンダe」にも採用されているこの機能は、メーカーオプションの専用ディスプレイと専用車載モジュールなどを使い、スマートフォンと連携した多様な操作やサービスが利用できるというものだ。

ホンダコネクトのディスプレイ(筆者撮影)

車種により使える機能は異なるが、例えば、フィットより機能が充実しているホンダeでは、スマートフォンを使う場合、離れた場所から乗車前にエアコンを作動させるなどのリモート操作が可能だ。また、ドアの解錠やエンジン始動がスマートフォンでできるデジタルキー機能も採用する。ほかに事故など万一のときに、自動車と緊急サポートセンターがボタンひとつで繫がったり、自動車をWi-Fiスポットとし、車内でスマートフォンやタブレット、ゲーム機などを使い音楽や動画が楽しめたり、ノートPCを使ったテレワークなどができる機能も採用している。

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