また、2km/h〜約10km/hの低速走行や後退時に、壁など障害物との衝突回避や被害軽減の支援を行う「近距離衝突軽減ブレーキ」、誤って後方に急加速することを防ぐ「後方誤発進抑制機能」、ハイビームとロービームを自動で切り替える「オートハイビーム」を新たに追加。先代の全8機能から全11機能に拡充されている。
先代に比べて価格は微増、その差をどう見るか?
さまざまな改良や新機能の追加が施されたヴェゼルだが、最後に気になる
価格をチェックしてみよう。新型の税込価格はハイブリッド車e:HEVが265万8700円~329万8900円で、ガソリン車Gは227万9200円~249万9200円だ。対する先代モデルの税込価格は、ハイブリッド車が250万5555円~361万7900円で、ガソリン車のNA(自然吸気エンジン)仕様は211万3426円~252万833円、ターボ車は295万6800円~352万8800円だった。
新型は、全体的に先代より価格が上がっており、先代で最も売れ筋だったグレード、ハイブリッド車のHYBRID Z・Honda SENSINGの税込価格がFF車276万186円、4WD車298万186円。新型で同様のグレードとなるe:HEV Zの税込価格がFF車289万8500円、4WD車311万8500円だから、いずれも13万8000円ほどアップしている。
ホンダ車を扱う某販売ディーラー担当者は、「メーカーは頑張って価格を抑えた」と語る。同担当者は「ハイブリッドシステムが2モーターとなり、予防安全装備など多くの機能が増えたため、価格はもっと上がることを予想していた」という。だが、思ったほどの値上げ幅ではなかったことで、「これなら顧客にも納得してもらえるだろう」と安堵したそうだ。ディーラーには、実際に発売前から多くの問い合わせが寄せられており、とくに先代モデルを所有するユーザーが乗り換えを前提に新型に興味を示している。
以上のように価格面から見ても、いかにホンダが新型ヴェゼルに注力しているのかがよくわかる。2020年に約243万台を販売した国内の登録車市場において、SUVは約71万台を販売し、全体の29%を占めた(ホンダ調べ)。中でも、近年コンパクトSUV市場は、前述したとおり、トヨタのヤリスクロスやライズをはじめ、日産のキックスなど各自動車メーカーが続々と新型車を投入する超激戦区だ。そういったジャンルの先駆者であり、かつては代名詞的な存在だったヴェゼルの復権なるか、今後の動向に注視したい。
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