仏名門ENA廃校に思う「真の指導者」育成の至難

本来の目的である社会の不平等は解消されず

マクロン大統領が自身の母校でもあるENAの廃校を表明した(写真:princigalli/iStock)

フランスの歴代大統領にはシラク氏やマクロン氏など国立行政学院(ENA)出身者が圧倒的に多い。ENA出身者は通称「エナルク」と呼ばれ、政治家、官僚、国が筆頭株主の大企業トップなど社会の上層部を占めている。最高の学歴とされ、特権階級的な存在だ。

今年4月7日、マクロン大統領は自身の母校でもあるENAの廃校と新設上級公務員の教育と訓練を行う学校の新設の意向を明らかにした。

フランスではマクロン政権に講義する「黄色いベスト運動」が起こり、ENA出身者が多数を占める中央官庁の官僚エリートへの批判が高まった。この怒りを鎮めるため、マクロン氏は公約でもあったENAの廃校を検討すると表明。新型コロナウイルスの感染拡大でそのプロジェクトは忘れられていたが、再び動き出した。

欧州で最も中央集権的といわれているフランスで、いったい何が問題となり、何を変えようとしているのか。私もビジネス系のリーダー養成学校のグランゼコールで教鞭をとっていた経験から、リーダー教育に熱心なフランスの変化を見ておきたい。「リーダー不在」と言われることが多い日本の参考にもなるはずだ。

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