超一流の人がドラッカーの愛読を欠かさない訳 視座の低い人に知ってほしい「3つの顔」

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ゼネラル・エレクトリック(GE)のジャック・ウェルチ、イトーヨーカ堂の伊藤雅俊、ファーストリテイリングの柳井正など、今も世界中の経営者たちに大きな影響を与え続けています。

ドラッカーの著作は膨大で、しかも経営、組織から政治、社会、経済に関わるものまで多岐にわたりますが、大きくは、社会制度に関するものとマネジメントに関するものに分けられます。

【ドラッカーの顔1】
「人々の幸せの実現」を目指す、社会と制度の観察者

『「経済人」の終わり』は、ファシズム(全体主義)台頭の社会的背景を分析した社会制度に関する代表作です。

つねに自ら経済的利益に従って生き、そのために死ぬ「経済人」という、当時の古典派経済学に基づく経済社会の終焉と、経済至上主義からの脱却を説いた、ドラッカーの思想の原点です。

19世紀のブルジョア資本主義もマルクス社会主義も、この「経済人」の概念を基盤にしていました。しかし、第1次世界大戦後、民主主義が根づかなかった国では、デフレと失業が深刻化した結果、「経済人」の概念も終わりを告げました。

そして、自由な経済活動が社会に自由と平等をもたらさないことを悟った大衆が、ブルジョア資本主義とマルクス社会主義に失望したことから、ファシズムが誕生することになるのです。

「アメリカこそ史上初の真の社会主義国」

これに次ぐ『見えざる革命』は、高齢化社会の進展による人口構造の急激な変化とその影響を論じたものです。「社会主義を労働者による生産手段の所有と定義するならば、アメリカこそ史上初の真の社会主義国である」と指摘しています。

アメリカで最大の資本家は年金基金であり、アメリカでは民衆が年金という仕組みを通じて企業を支配下に置く社会主義的な国(年金基金社会主義)への「見えざる革命」が起きていたという意味です。

そして、資本家と労働者が同一化したことにより、アメリカの高齢者は豊かな年金を手にする可能性を得て、政治的にも経済的にも中心的役割を果たすことになるという高齢社会論が語られています。

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