東大の入試問題を「初見」でもラクに解くコツ 知らないことは「似た事柄」に置き換え考えよう

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<解答例>
寒冷で耕作地に恵まれない松前藩から年貢米に代わるものを得るために、アイヌとの交易権を認める必要性があったから。(→「必要性」)
また、藩の力が弱く江戸から遠方にある松前藩が、江戸に攻め上がる危険性は低かったから。(→「許容性」)

江戸幕府には、交易や情報収集の窓口として、長崎出島、対馬、薩摩、松前の4つの窓口がありました。これを日本史では「4つの口体制」とよんでいますが、これに関する問題です。「なぜか」と聞かれているので、理由が問われていることがわかります。鎖国下で蝦夷地の松前藩に特別に交易が認められるにいたった「必要性」は何か。そして、幕府はなぜそれを許すことができたのかという「許容性」を考えて解答します。

これは、大学入試の問題ですが、中学入試にも、このように理由を問う問題が当たり前のように出題されています。ですから、解答するための何らかの対策が必要です。そしてこういった「理由を問う」問題で使えるのは、「思考の道具」なのです。

問題の解答例では、「必要性」「許容性」という「思考の道具」を使って答えました。理由を問われた問題では、このように「必要性」は何か、「許容性」はあるのかを考えると、うまく解答できることが多いのです。

「思考力」というと、多くの人が「もとから備わっているもの」と思いがちです。子どもであれば「地頭がいい子」、大人であれば「頭のいい人」が持っているものと思われています。しかし、思考力とそれにともなう表現力というのは、そのようなぼんやりしたものではありません。道具を得て、訓練すれば、誰でも身につけることができるものなのです。

そして、最初は「借り物の道具」であったとしても、自分の頭で考え、使い続けることでそれは本物の「思考力」「表現力」へと変化していきます。まずは何より、新しい道具を手にすること、それが大切なのです。

未知の問題には「似た事柄」を思い出せ

さて、今度は中学入試の問題を見てみましょう。中学入試は、学校によって問題傾向に大きな違いがあります。なかでも社会はその傾向が強く、昔からの御三家である武蔵中も、なかなかユニークな問題を出すことで知られています。さっそく要約した問題を見てみましょう。

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