なぜ日本はマスク好き?その意外な歴史的背景 140年以上前にすでにファッションアイテム化
感染症にかかりたくないという気持ちは、万国共通のはず。しかし、アメリカでは、マスクの着用を巡って市民が口論することもある。
では、なぜ私たちは、マスクを着けることに違和感や抵抗感があまりないのか。「横並び意識の強さ」「人にうつしたくない」「清潔好き」など、日本人の国民性と重ねて語られることが多いが、住田氏はどう考えているのだろうか。
新しい生活様式を積極的に取り入れようとした一環
「1930年代にスペインかぜが流行したとき、欧米でも多くの人がマスクを着けていました。でも、それは定着しませんでした。一方、日本ではマスクを着けることが定着し、日常の一部になりました。私が取り組んできた歴史的な側面からは、“過剰な近代化”と言えるのではないか、と考えています。
日本は明治時代の文明開化で近代化を進めた際、“西洋=近代的ないいもの”という意識が強く、西洋のものを過剰に取り入れてきました。その後も日本社会には、それぞれの時代で新しい生活様式を積極的に取り入れようとする機運がありました。マスクの浸透もその一環だったのではないかと見ています。
私の研究の範疇ではありませんが、文化の違いについてはいろいろ議論されていて、人の感情を読み取るときに、欧米では『口元』に、日本では『目元』に重きを置くようです。
顔文字でも、欧米では「:P」(時計回りに90度回転させて見ると、舌を出した顔に見える)、「:D」(笑顔)のように口元の変化で感情を表し、日本では「(><)」「^^」のように目の変化で感情を表します。
このことから考えると、欧米の人は目元を隠すサングラスに抵抗がなく、日本の人は口元を覆うマスクに抵抗がないということもうなずけます」
取材:宮本由貴子=フロントラインプレス(FrontlinePress)所属
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら