「オンライン研修」低コストと過信する人の盲点 「対面式」と「オンライン式」どちらが得か?
4月になり、新入社員を迎え、全国の企業・組織で新人導入研修が行われています。この1年間、新型コロナウィルスの影響でいろいろなビジネスのやり方が変わりましたが、研修も大きく揺れ動きました。
最大の変化は、Zoomなどによるオンライン研修が増え、従来行われていた対面方式の研修が減ったことです。昨年3月から7月、感染第1波を受けて企業は不要不急の研修を中止し、昇格者研修など必要火急のものについては、既存の研修をオンライン化することで緊急対応しました。9月以降感染が沈静化したことから、対面方式の研修を復活させる企業が増えましたが、1月からは2度目の緊急事態宣言を受け、オンライン研修が再び主流になっています。
4月からの新年度では、引き続きオンライン開催を予定している企業と対面方式を基本にしつつ状況次第でオンライン方式でも開催できるよう両にらみで備えている企業に分かれるようです。
こうした1年間の変化を受けて、今後、研修はどう変わっていくのでしょうか。今回は、企業の教育部門の担当者への取材を踏まえて、研修の未来について考えてみましょう。
オンライン研修「最大のメリット」とは?
昨年、半ば無理やり、嫌々ながら始めたオンライン研修。やっていくうちに、教育担当者はいろいろなメリットを実感するようになっています。中でも最大のメリットは、従業員の研修参加が容易になったことでしょう。
「当社では、ほぼすべての研修をオンライン化しました。その結果、以前はなかなか参加してもらえなかった地方・海外の事業所からの参加が容易になり、昨年の総受講者数は前年に比べて増えました。研修のすそ野が広がったのは、大きな成果、怪我の功名です」(エンジニアリング)
「以前は全国から研修センターに集まってもらっていたので、直接の研修費用に近い額の出張旅費を使っていました。ところが昨年オンライン化が進んだ結果、トータルの教育関連費用はかなり減っています」(電機)
当初は、既存の対面方式のプログラムをそのままオンライン化したこと、受講者も教育部門も講師もオンライン研修に不慣れだったことから、運営上のトラブルが多発し、教育の質が低下しました。しかし、昨年後半からはオンライン環境に合ったプログラムが開発され、受講者・教育部門・講師も慣れてきて、問題はかなり解消されました。
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