中国がコロナ後の世界経済を牽引できない理由

「アフター・コロナ」の本当のリスクとは何か

中国は2021年の経済成長の目標を6%超と設定したが、筆者は「世界経済の牽引役にはなれない」と言う(新華社/アフロ)

筆者は3月19日コラム「アメリカの株価上昇は一体いつまで続くのか」で、世界的な株高の持続性を考えるうえで最も重要な論点を指摘した。それは「アメリカでの財政政策がいつまで経済を押し上げる方向に作用するか」である。

具体的には、ジョー・バイデン政権が今後打ち出す追加の経済対策が経済成長へ与える影響である。

3月31日にバイデン大統領は、「アメリカ雇用計画(AJP)」として2.2兆ドル規模のインフラ投資などの追加財政政策を発表した。これには法人税などの増税がセットになっているが、増税は15年という長期間にかけて実現する、とされている。増税の悪影響が早期に現れることが2021年のアメリカ株市場の数少ないリスクだと筆者は認識していたが、このプランを踏まえれば、そのリスクは小さくなったと評価される。

ところで、筆者は懐疑的ではあるが「新型コロナ危機後の世界的な経済復調は、中国経済の早期回復が牽引役になっている」との見方がある。この根拠は、世界第2位の経済規模の中国が、2020年3月頃から一足早く回復に転じたことだろう。

中国の製造業はなぜ急回復したのか

実際に、2020年半ばからの新型コロナ危機後の世界経済復調局面では、特に製造業の生産活動回復が顕著だった。世界各国の製造業の生産指数は2021年1月時点で、新型コロナ危機の前の水準を超える水準まで戻っている。これとともに、世界的な製造業の生産活動回復は、中国など輸出工場が多いアジアからの輸出の急ピッチな回復をもたらした。

また、メディアでも報じられているとおり、半導体業界では広範囲に需要増が発生して、一部の企業にとっては想定外の売上増大という「活況」に直面している。輸出回復の恩恵で、中国の製造業の2021年1~2月の利益は前年比プラス179%と大幅に利益が伸び、中国経済全体でも、前年の減少からの反動もあり1~3月期GDP成長率は前年比10%を大きく超える伸びになったと試算される。

仮に、中国が世界経済の牽引役ならば、世界経済そしてアメリカを含めた世界の株式市場の行方にとって、中国経済の先行きは最も重要なファクターになる。であれば、中国経済に影響を及ぼしうる、バイデン政権との政治的な緊張関係の高まりが、株式市場のリスク要因として今後浮上するかもしれない。

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