2月15日に日経平均株価は3万円の大台に乗せた。30年6カ月ぶりの株高は「バブル到来」との声も聞かれる。だがTOPIX(東証株価指数)で見れば「3年前の2018年1月の株価水準を、2月になってようやく越えたばかり」というのがより妥当な評価だろう。
株高を牽引している「2つの原動力」とは?
海外を見れば、アメリカ株は2月にも過去最高値を更新して上昇している。新型コロナ抑制に成功して2020年に上昇した台湾や韓国をはじめとした新興国の株価も、3年前と比べれば総じて上昇している。これらに比べて、日本株はいまだに経済封鎖を行っているヨーロッパ株と同様に出遅れていた。足元でアメリカを中心とした世界的な株高に引き上げられ、出遅れていた日欧株式市場が上昇しているということである。
筆者はアメリカを含めた海外の株式市場も同様だが、日本株全体がバブルの領域まで上昇しているとまでは言えない、と考えている。今後日経平均株価が3万円を超えてさらに上昇するかは、引き続きアメリカ株の最高値更新が続くかどうか次第だろう。
昨年秋のアメリカ大統領選挙から株高が続いているのは、ジョー・バイデン政権が繰り出す金融財政政策、そしてドナルド・トランプ前政権の後押しで開発されたワクチン摂取推進、という2つの要因が相まって、2021年の経済成長率が上振れる可能性が高まったためである。これらが日本株を引き上げた原動力だ。では今後はどう変わるだろうか? おそらく今年の夏ごろまで、これらの牽引役への期待は持続すると筆者は見ている。
アメリカの金融財政政策のなかでは、バイデン政権が打ち出した「アメリカンレスキュープラン」がどの程度実現するかが目先の注目材料である。3月までの上下両院での審議次第だが、筆者は少なくとも約1兆ドル(GDP比約4%)の規模での実現を従来から想定している。これが上振れるとの期待感が1月後半から金融市場で強まっているが、筆者の想定通りに半分程度に止まっても、アメリカ経済の回復はかなり盤石になるだろう。
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