アベプラ制作者と考える「メディアの在り方」 取材や報道内容で分断を生む可能性もある
安部:リディラバジャーナルはウェブメディアですが、ウェブメディアとそれ以外のメディアって、取材手法にも違いがあると思っていて。
たとえば、事前の確認の有無。テレビや新聞などの場合、取材内容がどのように編集されたのか、取材を受けた本人が事前にチェックさせてもらえないことも多いと思います。
僕もときどきメディアから取材を受ける機会があるのですが、その記事が自分の知らないうちに掲載されていることも多いんです。ただ、本来メディアには「編集権(※)」という権利があるので、それがダメなわけではない。※メディアが編集方針や表現内容を決め、管理すること
一方でウェブメディアの場合は、事前に掲載内容の確認という過程があることもあります。リディラバジャーナルでも、取材した場合は基本的に掲載前にチェックしてもらうようにしています。
放送内容に関しては事前確認しない
郭:アベプラでもテレビと同様に、たとえば顔を映されたくないという方にモザイクをかけるとき「確認したい」という希望があれば「このモザイク処理で大丈夫か」と見ていただくことはあります。それ以外の、たとえば放送する内容に関しては、基本的には取材したものを放送前に確認してもらうことはありません。
取材相手に事前に内容をチェックしてもらうというのは、僕たちテレビの人間からすると新鮮に感じます。
安部:実は、事前確認してもらおうと思ったのは、ウェブメディアであるということ以外にも理由があって。
以前、僕たちがとあるテレビ局の取材を受けることになったときに、リディラバの事業のひとつであるスタディツアーの様子を「撮影したい」と言われたことがあったんです。でも、ツアー先の方にテレビ取材が入ってもいいかどうか聞いたら、断られてしまって。