アベプラ制作者と考える「メディアの在り方」 取材や報道内容で分断を生む可能性もある
一方で、当事者の意図とは異なる形で取材内容が報道されたことで分断が生まれ、メディアという存在が嫌われたり批判の対象とされたりすることもある。また、視聴者側が報道の一部を切り取り、間違った解釈をもって拡散してしまうこともある。
今回はリディラバジャーナル3周年記念として、社会問題解決のために必要なことは何かを出演者や視聴者とともに考える報道番組『ABEMA Prime』チーフプロデューサーの郭晃彰さんと、リディラバ代表の安部敏樹のスペシャル対談を実施。社会問題をメディアを通じて伝える立場として、メディアが社会にもたらす影響や、テレビとウェブメディアの取材手法の違いなどについて語った。
<郭晃彰さん>
1987年12月31日生まれ。株式会社テレビ朝日に2010年に入社。早朝帯番組でAD、Dを3年間務めた後、社会部に異動。国土交通省、海上保安庁、気象庁を担当。東日本大震災から5年の節目では、ドキュメンタリー番組「その時、『テレビ』は逃げた~黙殺されたSOS~」を制作。同番組は、NewYorkFilmFestivalに入賞。2016年の「ABEMA」開局に参加、夜帯のニュース番組『ABEMA Prime』のチーフプロデューサーを務める。
安部敏樹:郭さんは、僕も毎週コメンテーターとして出演させていただいている『ABEMA Prime』(通称、アベプラ)のチーフプロデューサーをされています。これまでの経歴について、あらためて教えていただけますか。
YouTubeの再生回数が伸びる
郭晃彰:僕は2010年にテレビ朝日に入社して、最初は朝の情報番組でADやディレクターを経験しました。それから社会部の主に災害担当の記者として、国土交通省や気象庁、海上保安庁などに取材をしていました。
その後、テレビ&ビデオエンターテインメント「ABEMA(アベマ)」に出向することになって、番組を担当することになりました。
安部:番組開始からずっと担当されていますが、世間の反響は変わりましたか。
郭:アベプラは月曜日から金曜日まで毎日放送していますが、生放送の視聴者数そのものは、番組開始当初からそこまで変わっていません。
ただここ2年くらいは、「ABEMA」の情報ニュースサイトである『ABEMA TIMES』で番組の内容を記事化したものがヤフーニュースに掲載されたり、番組の一部を載せているYouTubeの再生回数が伸びたりしています。番組を知ってくれている人自体は、増えてきている印象がありますね。