ドラッカーと『論語』の意外な共通点とは? 『もしドラ』ファンなら、論語にも挑戦してみよう
もし、ドラッカーが『もしドラ』を読んだら!?
「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」という優れた小説がある。
岩崎夏海氏が書かれたもので、300万部近い驚異的な売上を誇り、映画にも漫画にもソフトにもなった、大変なヒット作である。
しかも単なる小説ではなく、ドラッカーのマネジメント思想を広く紹介する、という思想的意義を持つ作品でありながら、ここまでの成功をおさめたのは、まさに驚異的といえる。
もし、あなたが『もしドラ』を読んだのであれば、あるいは映画や漫画やソフトを楽しんだのであれば、『ドラッカーと論語』を楽しんでいただくことができるはずである。というのも、本書は、『もしドラッカーが「もしドラ」を読んだら』という話から始まっているからである。
実は『もしドラ』は、タイトルに「偽り」がある、と私は考えている。というのも、主人公の女子高校生川島みなみは、ドラッカーの『マネジメント』を読んではいないからである。彼女が読んだのは、それを上田惇生氏が要約して翻訳した『マネジメント【エッセンシャル版】』である。ドラッカーのオリジナルの思想と、上田惇生氏による日本人向けリミックス版との間には、実は大きな違いがある。この違いが、本書の一つの重要なテーマである。