(第27回)事業戦略の枠組みを人生に生かす

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1.環境を変えるためにも、今いる環境を利用する必要がある
2.ポジティブな思考が味方を引き寄せる
 1に関してだが、学校を変えたり、転職したりする際にも、今いる環境で利用できるものは可能な限り利用すべきだ。その組織にいる教授や先輩・仲間には助けてもらったほうがいいし、転職の際にもその環境で経験した実績は必ず聞かれる。関係を断ってしまっては、まったくの1人で道を模索せねばならず、多くの場合、それは非効率である。

 2のポジティブな思考もたいへん重要だ。いつも、周囲の環境に不平不満をまき散らしている人間を好ましく思う者はいない。たとえば、「俺はこんな学校(会社)に入るつもりはなかった。本当は○○に行けた」という友人がいたとして、あなたは好ましく思うだろうか。手助けしてあげたいと思うだろうか。自分が属する学校(会社)を否定されて愉快な気分になる人などいない。だからこそ、今いる環境をポジティブにとらえ、周囲を巻き込んでいく必要があるのだ。

 これらのことを念頭に置くと、先ほどの地方大生の場合は、次のような戦略を描くことができるのではないだろうか。

 経営悪化でブランド低下が叫ばれている大学ではあるが、その分、大学側は危機感を覚えていて、今年、金融論の分野で若手だが力のある教授を招聘することになった。

 もともと勉強好きなあなたは、この若手教授のゼミに入ることを当面の目標として勉強することにし、彼の講義を含む、必要な講座を多く選択した。

 また、金融論の本場はアメリカということもあって、大学2~3年次には、あまり利用されていない学内の交換留学枠を使って短期留学することも目標として掲げた。そこで、大学内にある英語のディベートサークルに入り、トレーニングを積むことにした。

 それ以外にも、金融の勉強をより能動的にすべく、有志を募って投資サークルを立ち上げることにした。顧問は若手教授にお願いすることにし、週に1回勉強会をすることにした。年齢的に1つ上で、言い出しっぺのあなたは投資サークルの代表となった。

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