衆院解散はいつ?自民党内に広がる揣摩憶測 タイミングは5月か9~10月、事実上「二択」に

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その一方で、下村氏が指摘した7月4日の東京都議選と衆院選の同日選説も自民党内では根強い。しかし、石井啓一公明党幹事長が19日、「(都議選との同日選は)現実的な選択肢ではない。シミュレーションは行っていない」と否定的な見解を表明。同日選の結果次第では首相指名・組閣などが東京五輪の開幕と重なり、混乱しかねないことを挙げた。

公明党はかねてから都議選を最重視してきた。「首都での一定以上の議席確保が党の存在意義につながる」(幹部)からだ。これまでも都議選と衆院選は「最低でも2カ月以上切り離してほしい」と自民党に要求。2020年秋以来の自民党との党首会談でも、山口那津男代表が繰り返しその方針を伝え、菅首相も配慮する立場を示したとされる。

そうなると、東京五輪が延期や中止とならない限り、解散・総選挙のタイミングは五輪前の5月ごろか五輪後の9月か10月に選択肢が限られてくる。訪米後の解散となれば、4月25日に衆参統一補欠・再選挙のトリプル選が実施されることから、5月連休前後の解散、5月23日か同30日の投開票となる可能性が大きい。

問題となる総裁選スケジュール

自民党内では、菅首相が公約したデジタル庁創設関連法の5月連休前成立が「解散の大義名分になる」(幹部)との声もある。しかし、コロナ感染拡大阻止が最優先課題の中での衆院選は、「投開票前に感染拡大すれば、有権者の反発で自民大敗は避けられない」(自民長老)との不安はぬぐえない。

ここにきて菅首相が解散に絡めて「総裁任期は9月」「遅くとも秋まで」などと発言したのも、「東京五輪前の解散は現実的でないとの考えを示唆した」(閣僚経験者)と受け止める向きが多い。

そこで問題となるのが自民党総裁選の日程だ。任期切れに伴う総裁選は無投票にならない限り、告示から投開票日まで12日間以上の選挙期間を確保する必要がある。有権者となる全国の党員・党友数の事前確認には、約2カ月かかるとされる。このため、これまでは7月中に開かれる総裁選管理委員会で9月の総裁選日程を決めるのが慣例で、今年も東京五輪開催前後の7月中に具体的日程を協議・決定するとみられている。

これまでの例をみれば、曜日に配慮しながら9月上中旬告示、同下旬投開票のケースが多かった。ただ、今年は10月21日に衆院議員の任期満了という特殊事情があり、公職選挙法での任期満了選挙が決まる9月22日より前に臨時国会を召集する必要がある。その場合、解散か臨時国会終了によって衆院選投開票日が決まる。

具体的には、パラリンピック閉幕が9月5日なので、臨時国会前に菅首相の再選の可否を決める総裁選を同6日から9日の間に告示、同21日までに投開票する日程を設定。併せて政府が同22日までの臨時国会召集を決めておく必要がある。

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