衆院解散はいつ?自民党内に広がる揣摩憶測 タイミングは5月か9~10月、事実上「二択」に
10月21日の衆院任期満了まで残り7カ月を切った。ここにきて自民党幹部らによる衆院解散をめぐる発言が相次ぎ、政局絡みの駆け引きが顕在化している。
取りざたされている解散・総選挙の時期は5月から10月までさまざまだが、菅義偉首相が再選を狙う自民党総裁選とも密接に絡み、永田町に揣摩臆測が広がっている。
「下村発言」を機に解散観測
騒ぎのきっかけは、自民党の下村博文政調会長の発言だ。下村氏は政府がコロナ緊急事態宣言の全面解除を決めた3月18日の講演で、菅首相の4月9日前後の訪米と日米首脳会談が固まったことについて、「内閣支持率にも多分プラスになる。そのときに(解散)ということは可能性としてはある。追い込まれ解散という構図はつくりたくない」と述べ、訪米後の解散の可能性を指摘した。
さらに、「(本命視される)9、10月だけでなく、選択肢の幅として(7月4日投開票の)都議選と一緒ということも(菅首相の)頭の隅にあるかもしれない」と付け加えた。この発言を受けて、自民党の森山裕国対委員長も「(4月の解散は)否定はできない。いろんなことがある」と思わせぶりに語った。
しかし、解散権を握る菅首相は18日夜の記者会見で、当面はコロナ対応が最優先として訪米後解散を「まったく考えていない」と強く否定し、「9月までが(自民党総裁の)任期だから、その中で考えていく」とした。21日の自民党大会では総裁として「どんなに遅くとも秋までには総選挙がある。私は先頭に立って戦い抜く決意だ」と首相主導の解散へ強い意欲を示した。
自民党の二階俊博幹事長も21日、「解散は首相が決めることだ。軽々しく言うべきものではない」と下村発言を批判。「(下村氏が)どれだけ仲間の選挙のために汗をかいたのか。自分の選挙は大丈夫なのか」と怒りを露わにした。
衆院議員の任期満了は10月21日だが、菅首相の党総裁任期は9月30日まで。総裁再選を目指す菅首相にとって、東京五輪・パラリンピック閉幕後に衆院を解散する場合、総裁選の前か後かの選択を迫られる。ただ、菅首相が解散時期に関連して「9月までが任期」と語ったことで、「総裁選前の五輪直後の解散断行を視野に入れている」(自民幹部)との見方が広がった。
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