週刊東洋経済 最新号を読む(5/23号)
東洋経済オンラインとは
ライフ

世界中の食卓から「ウナギ」が消える現実度 国際自然保護連合は「深刻な危機」に分類する

6分で読める
2/3 PAGES
3/3 PAGES

3番目の選択肢は、IUCNが主な評価法として用いているもので、発想の転換をして、サルガッソー海でのウナギの秘密のランデブーの結果を――レイチェル・カーソンが「親ウナギが残した忘れ形見」と呼んだものを評価する方法だ。

つまり、春にヨーロッパ沿岸部に現れるシラスウナギの個体数を判断基準とするのである。シラスウナギについては、銀ウナギに比べてずっと多くのことがわかっていて、それらのデータは、ウナギの危機的状況を示唆している。信頼できるすべての数字が、今現在、ヨーロッパ沿岸部に到達するシラスウナギの数は、1970年代の終わり頃のおよそ5パーセントにすぎないことを示している。

近い将来本当に消えるかもしれない

『ウナギが故郷に帰るとき』(新潮社)書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

私が子どもの頃に毎年川を上ってきた小さなガラス棒のようなシラスウナギが仮りに100匹だったとすれば、今同じように川を上るシラスウナギはせいぜい5匹程度だということになる。

これが、IUCNがヨーロッパウナギを「深刻な危機」に分類した根拠である。

IUCNの公式の定義によると、「野生絶滅の非常に高いリスクに直面している」という意味だ。ウナギが置かれているこの状況は、破滅的であると同時に深刻な問題でもある。ウナギは、近い将来、本当に消えてしまうかもしれない。

それもわれわれ人間の視界と理解の範囲からだけでなく、われわれが暮らすこの世界からも。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象