デキる人ほど「何も考えない時間」を大事にする 「思考の酸欠」を防ぐ脳科学的に正しい働き方

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効率的に成果を出し続けるための、科学的に正しい働き方を紹介します(写真:Chinnapong/PIXTA)
集中してバリバリ働きたいと願うビジネスパーソンは多いが、ガムシャラに「集中しよう」と思うだけでは仕事の効率は上がらないし、そもそも集中力は四六時中続くわけではない。むしろ効率的に成果を出し続けるためには、頭の中を鎮め、何も考えない時間を設けるほうが効果的だ。Googleやナイキ、ハーバード大学を法人顧客に持ち、『LIMITLESS 超加速学習――人生を変える「学び方」の授業』の著者でもある脳トレーナー、ジム・クウイック氏の、科学的に正しい働き方を紹介する。

多忙とストレスが思考に与える影響

集中して仕事をするためには、どうすればいいのか。目の前のタスクにただ取り組むだけでは足りない。集中するためには、それを妨げるものを排除し、持てる注意をすべて注ぎ込む能力が求められる。

『LIMITLESS 超加速学習――人生を変える「学び方」の授業』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

だが、それが現代社会では難しい。多くの人は同時に複数のデバイスで、たいていそれぞれ複数のアプリを立ち上げて作業している。そのうえ会議に出席し、メールやテキストに返信し、SNSに書き込みと、いくつものことをしている。だからこそわれわれには、頭を鎮める方法を見つけることが前にもまして重要なのだ。

気づいていないかもしれないが、あなたが日々接している情報は、総じてあなたに多大なストレスを与えている。しかしあなたは、それを「いいこと」だとすら思っているかもしれない。ストレスが多いのは忙しい証しだし、多忙な自分は世界に意味のある貢献を果たしている、というわけだ。

確かにそうかもしれない。ただそのために不安になっていたら、というより、不安があるのに忙しさを肯定していたら、気をつけたほうがいい。

「不安で心が弱ると、正常な判断をしたり、問題解決のために行動したりするのが難しくなる」と、『The Stress-Proof Brain(ストレスに強い脳)』の著者で精神科医のメラニー・グリーンバーグ博士は論じる。「不安は考えすぎも生む。考えすぎると不安が増し、それがさらなる考えすぎを呼び込み……と延々続く。この悪循環から抜け出すにはどうしたらいいのか。不安を抑え込むだけでは解決しない。また現れるだけだし、悪くすればもっとひどくなる。

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