マイクロソフト、グーグルに政治圧力かける訳 MS社長が報道機関との不均衡は関係に言及
同小委員会のシシリン委員長と共和党側筆頭委員のケン・バック下院議員(コロラド州選出)の2人は、今回の公聴会に先だって「ジャーナリズム競争・保護法案」を提出している。
プラットフォーム企業が表示するニュース記事の利用料について、小規模な報道機関が合同で値上げ交渉できるようにするのが狙いだ。同法案は、上院反トラスト小委員会の委員長を務める民主党のエイミー・クロブシャー上院議員(ミネソタ州選出)によって上院にも提出された。
「マイクロソフトはお得意な方法に先祖返り」
地方の報道機関が独自コンテンツの表示をプラットフォーム企業にますます依存するようになり、これが地元紙などによるローカル報道の衰退につながっているとの懸念は世界的に高まっている。オーストラリアでは、グーグル、フェイスブックといった巨大IT企業に報道機関との料金交渉を義務付ける法律が少し前に成立している。カナダとイギリスでも同様の措置が検討されている。
シシリン氏は、次のように述べた。「こうした法整備は、オンライン上における有意義な競争の代わりとなるものではない。市場の根本的な問題に対処する構造的な対策が必要だ。とはいえ、信頼できるジャーナリズムが永遠に失われる前に、短期的に何らかの対策を講じなければならないことははっきりしている」。
今回の公聴会に出席しなかったグーグルは、スミス氏が行った計画的な証言について声明を発表。自社のビジネス手法を擁護しつつ、マイクロソフトの証言にはよこしまな動機があると非難した。マイクロソフトの検索エンジンBing(ビング)は、グーグルに大差をつけられ、業界2番手に沈んでいるからだ。
グーグルで法務を担当するケント・ウォーカー上級副社長は声明にこう記した。「残念なことに、この分野での競争が激化するにつれ、マイクロソフトはライバル批判を繰り広げ、自社の利益につながる規制を求めて政界工作を行うという、お得意の作戦に先祖返りしつつある」。
(執筆:Cecilia Kang記者)
(C)2021 The New York Times News Services
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