今年の日本プロゴルフ選手権が、まさにそうだったと思う。兵庫県にあるゴールデンバレーゴルフ倶楽部は、コースレートが77.4と日本で最も難しいレーティングである。その素地を生かして、4日間72ホールのゲームをどういうストーリーにしていくのかがカギだった。
そのセッティングの妙が、見事にはまったのが今回の大会だったと思う。
「このコースは、18ホール中16ホールが池がらみなんです。初日、強い風と雨で選手たちを苦しめた。だから池に入れた数は、156個。2日目は、むしろ天候の条件はとてもよかったけれど、逆に池に入れた数は、159個と増えています。つまり攻めた結果、ミスした選手がかなりいたということですが、全選手の平均スコアは、2ストロークほどよくなっています」と倉本昌弘・協会長は解説した。
日によってティーグラウンドも56ヤード前に出して短くしたホールもあった。短くなることで、逆に難しくなることがある。逃げ場をなくし、しかも景色で窮屈にさせる手法だった。
そのもくろみは的中した。「最後まで自分を信じて逃げない勇気が続くかが勝負」と選手たちが口をそろえて言った。そして激戦の末に優勝したのは、45歳のベテラン手嶋多一だった。
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