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ユニクロとジーユー「9%値下げ」もたらす価値 顧客還元の一方でコスト増となる策は吉か凶か

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  • 鈴木 貴博 経済評論家、百年コンサルティング代表
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実はここが私にとってはとても大切で、服を断捨離する理由ができます。逆に言うと過去10年間購入してきたユニクロの服は、いまだに現役で私の自宅の洋服棚を占拠していて、もうこれ以上は増やすことができない状況にあります。

そして投資家の視点でいえばこれがユニクロ事業の最大リスクであり、高品質であるがゆえにユニクロの服は長持ちして買い替えることが難しいのです。

これまで日本のアパレル産業は、洋服を意図的に陳腐化させることで消費者に買い替えを促してきました。業界全体で今年の流行色を決め、微妙なディテールで過去の商品を恥ずかしいものに変えてしまう。だから毎年、消費者は今年の服を買うようになる。

ところがユニクロは普遍的で定番のカジュアルウェアを販売するようにこの業界常識を変えていくことで成長しました。そのようにして業界トップに立った今、気づくともはや洋服の買い替えが必要ない世界に到達してしまっていたと投資家の立場では感じられているのです。

まだユニクロが成長できる余地とは?

別にユニクロの服を劣化させよと言っているわけではありません。理想を言えば、素晴らしいデザインで、上質な素材を使ってほしい。そのうえで仕立て部分のコストや手間を削減すればワンシーズンだけもつ素晴らしい服が提供できるのではないかと言っているのです。

現実のユニクロは逆で、ジル・サンダーなど素晴らしい才能とコラボした製品をきちんとした仕立てで提供する。でも素材がいまいちというのがこれまでの市場の評価です。ここが変われればユニクロはまだ大きく成長できると投資家は期待しています。

つまりとても逆説的で長い長い話になってしまったのですが、結論を言えば、今回の消費税の表記が総額表示に代わり、そこでユニクロが値下げの決断をしたことは、私は巡り巡って長期的にはファーストリテイリングの企業価値を上げるチャンスになると捉えているということです。あくまで私は市場関係者から見れば少数派のようではありますが。

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